カテリーナ

誰も知らないのカテリーナのネタバレレビュー・内容・結末

誰も知らない(2004年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

ネグレクトを描いた作品
是枝監督がこの映画を撮ったのは何故か?
想像力の乏しい私には皆目見当もつかない
理由はわからなくても
見た事で何かが変わった
この映画を見る前と見た後で
私の中で変化があればいいのではないか?

そもそもネグレクトに対して私だけではなくてお腹を痛めて子供を産んだ母親なら
怒り
を感じるだろう
それも尋常じゃない熱量のはらわたが煮えくりかえるような怒り

だからあれもこれも全部あの母親のせいでしょ、きちんと育てられないなら産むな
一体、あの母親の頭の中はどうなっているのか?一度カチ割ってのぞいてやろうか?

このように興奮してしまう為
冷静にレビューできない状態になるので
ネグレクトの映画は嫌なんです 避けていました

「大体、お母さんは勝手なんだよ」
「何?その言い方!一番勝手なのはあんたのお父さんでしょう?家を出て行っちゃって!」

息子に対していう台詞じゃないし
考え方の目線が子供と同じなのに気付いてないなんて耳を疑います

母親に対して感情的になればなるほど
非常にこの映画はよくできていると唸ります

柳楽優弥は
本当にこの頃から達者なお芝居をします
お母さんとの会話は少しはにかんだ笑顔が愛らしいく
お母さんが大好きなんだと微笑ましくなります
この後暫く彼を見かけなくなりますが
『許されざる者』で見事に復活して
『ディストラクション ベイビーズ』に主演
未見なのでわかりませんが
フォロワーさんたちは軒並み高評価なので
素晴らしい演技を披露してる事でしょう

この作品のラストショットは
子供たちの背中が俯瞰で映し出される
是枝監督は結末に解決策を提示する事なく
幕を閉じました
観客に向けて宿題を出されたような
居心地の悪さを感じます
この後、大人はどう対処するべき?

見終わってキツい映画だったなぁと
声に出して言っている自分に驚きました
カテリーナ

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