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アメイジング・スパイダーマンのshxtpieのレビュー・感想・評価

2.0
映画が公開された時にはスルーしていたんだけれど、その後、ヨドバシカメラのテレビコーナーで流れているのを見て驚いた。ちょうど、スパイディがリザードと高校構内でたたかっているシーンで、「なんだこれ!?」と思ったものだった(たぶん、あそこがこの映画のベストモーメント)。最新の映像技術の粋を凝らしたスピーディで新鮮なバトルシークェンスは、特筆にあたいする。

とはいえ、この映画を見ていると、なんだか金のかかったミュージックビデオかゲームのプレイ画面を見ているような気分になる。それに、ここまでくるともう、アニメーションとなにがちがうのかがわからなくなってしまう。映画ってなに? と、こういう映画は問いかけてくる。

きっと、『ダークナイト』や MCU の成功を見て、サム・ライミのトリロジーとは対照的な、シリアスでダークでリアルなスパイダーマンの物語をやりたかったのだろう。けれども、やっぱりどこかお気楽というか、なんとも短絡的でまぬけな感じがあるのは、マーク・ウェブのディレクションゆえか。あるいは、なんともいえない脚本のせいか。

スパイディのスパンデックス風のコスチュームは、妙にダークでリアルだ。ありそうな感じがする。でも、そんな表面的なものでは取り繕えない馬鹿馬鹿しさが、ぬぐいされないほどにある(たとえば、都合よく市民が味方してくれるとか、リザードがトカゲ化する薬をニューヨークに散布するとか、それをワクチンに入れ替えたら一件落着だとか。っていうか、だいたい、なんで今更オリジンストーリーをやりなおす必要があったんだろう)。

エマ・ストーン演じるグウェン・ステイシーも、ピーター・パーカーにとって、かなり都合のいいガールフレンズのように見える。グウェンは、うじうじしているピーターを積極的に誘惑してくれるのだ。アンドリュー・ガーフィールドのピーター・パーカーは、これはきっと脚本のせいなのだけれど、なんだかしまりのない青年だ。調子にのって犯罪者を小馬鹿にするくだりには、あまりにもそれまでの描写からかけ離れていて面くらうし、スパイディがとても愚かに見える。
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