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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマーのRのレビュー・感想・評価

4.3
うる星やつらってまったく見たことなくて、ラムちゃんと言う宇宙人が、〜だっちゃっ!みたいな喋り方をする、ということくらいしか知らずに鑑賞。ものすごく有名な作品やけどちゃんと見たのは今回がはじめて。今まで何度か見ようとしたけど、どの回も途中やめにしていたようだ。登場人物のキャラ設定とか知ってないと、前半の流れにノっかるのがちょっとシンドイ、お馴染みのキャラネタみたいなんばっかやから。オレ知らねーんだよ、この人たちっていう。まぁそれはしょうがないとして。前半が過ぎるとなかなか面白くなってくる。文化祭前日、みんなで学校にお泊まりして出し物の準備をしてる同じ1日が、誰も気づかぬ間に、実は何度も何度も無数回繰り返されているということを悟る登場人物たち。しかも、自分たちがいる学校以外の場所は、ものすごく時間が経ってて、ボロボロの廃墟になってる。そしてある日、彼らの世界が浦島太郎の亀に乗っかってるのだと気づく主人公たちの衝撃! さらに彼らの前に、ム邪気という謎の人物が現れ、遂にその世界の正体が明らかになる! という一種のSFミステリーになってて、個人的に押井守の作品てあんまり好きじゃないんやけど、この作品の大っきいようでちっさいような世界観は好きなほう。ネタがわかってしまえば、何や、そういうことか、結構昔から使い古されたテーマやん、ってなるんやけど、作品全体の持つ喧騒と静寂のコントラストが独特の異世界感を醸し出してて、非常に魅力的。子どもの頃に見ていたとしたら、きっと意味がわからないまま、ずっと心に残る不思議な映画体験になってたに違いない。で、作品のテーマ上、エンディングもまったく油断できない。ってか、まぁ終わりなんてないよ、ってことになってしまう。でも、我々が骨身にしみてよく分かってることは、死ぬまでLife goes onってこと。ならば、この映画の真のテーマは、人類の古来の願望であるエターナルライフということなのかもしれない。それはまさにこのようにしてしか実現できないよ、っていう。もし仮にそれが実現するとしたら、世界だけが勝手に淡々と移り変わって、自分らは同じことの繰り返し。未来永劫ずっと。永遠に。こんなおもんないことはないのです。だから、映画冒頭のあたるはあんな様子だったんだね。てことは、つまり、究極的に言うと、人間は、老いるから喜びがあり、病気になるから楽しく、死ぬからこそ幸せなのだ、と言える。これこそひとつの悟りと言えましょう。ただ現実そう思うためには、相当のライフマスターじゃないと無理やけど笑 この感想文の後半部分は、本作を見てないと何言ってるか訳わからんと思うけど、見た人なら分かるはず。いやーなかなか面白かった!
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