ーcoyolyー

アメリア 永遠の翼のーcoyolyーのレビュー・感想・評価

アメリア 永遠の翼(2009年製作の映画)
3.5
アメリア・イアハートの物語であるのと同時にどうやって「アメリア・イアハート」という偶像が作られたか、というプロパガンダの物語でもある。この人があの時代のアメリカで全国民のヒーローでありスターでありヒロインであり得たのはファザコンだからというのが大きな要素であることが分かる。良くも悪くも本当に「空を飛びたい!」という思いだけしかないんですよ。そこに男性優位社会で女性であることがどれだけの障壁になっているかという構造にこの人は目が向かない。エレノア・ルーズベルトとのシーンでそれが露わになる。この人はただファザコンで忠実な父の娘。やりたいことをやるために年長で立場の強い男たちに甘えることが自然にできる人。彼らの気分を害さないからお目溢しを受けてスターになった女性。アメリアの立場を脅かす可能性のある女性を夫が潰しても無頓着。何故ならアメリアにはそれが見えてないから。良い人。とても良い人。視野が狭いから良い人でいられる人。

アメリア・イアハートがファザコンであるが故に世の中を上手く渡っている姿を見ると同時に父の娘であることを拒否し続けた私が何故これほどまでに茨の道を歩かされているかも良く分かる。私みたいなのにおっさんらは媚びて欲しいの。媚びて欲しいと思うような女に反発されると可愛さ余って憎さ百倍になる。その結果の私の人生なんだと思う。おっさんらつくづく情けねぇな。あいつら一人残らず全員とっととくたばってしまえ。たとえそれがリチャード・ギアだとしてもお目溢しはねぇから。
ーcoyolyー

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