このレビューはネタバレを含みます
コロンバイン高校銃乱射事件を基にした1日を、ドキュメンタリータッチのドライな質感で描いた群像劇。
中盤までは、何の変哲もない学校生活の一日をじっくりと描き、後半で暴力が一気に爆発する構造が、唐突に奪われる日常の恐怖をより際立たせている。
特に印象的なのが、事件が発生した終盤に登場する”ベニー”のパート。
ガールフレンドを窓から外に逃してから、何かに取り憑かれたかのように犯人のいる方向に歩き出し、そしてあっさりと殺されてしまう。
彼の歩行は、まるで死に魅了されたかのようであり、ごく普通の日常を生きる人々の中にあるカオスへの欲求を表現したものなのだろうか?あまりにも唐突なラストと共に、得体の知れない恐怖を残す。