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ミリオンダラー・ベイビーのRのレビュー・感想・評価

ミリオンダラー・ベイビー(2004年製作の映画)
4.7
これはキツイ…あまりにもキツイ…見終わったあとの体の重さがハンパじゃない。もー無理ー悲し過ぎて感想書く気になれないー。けど、書くよ! 主人公のフランキーは元ボクサーで、同じく元ボクサーの親友エディと、貧しいながら細々とボクシングジムを営んでる年老いたトレーナー。彼のところに、貧しく孤独な女マギーが、私をトレーニングしてくれ、とやって来る。女は引き受けないことにしている、と断るフランキーだが、彼女の負けん気と頑固さ、そしてフランキーのこれまでの人生を揺さぶるままならぬ事情に押され、彼女をコーチするようになる。すると彼女は、ボクサーとしての実力をめきめきつけていき、成功の階段をどんどん上っていく。上って上って、頂点まで昇りつめるか!というときに、とんでもない相手にあたってしまう。って流れで、序盤は、まず、フランキーがマギーのコーチを引き受けるシーンで、何かもう既に涙が溢れてきて…イーストウッドらしいさらっと深みのある渋い演出が心に染み渡る。で、厳しいコーチと真っ直ぐなマギーの時々ツンデレな人間くさいやりとりと、マギーの連発する勝利に胸が熱くなり、おおー、こっからきっとすげー強敵が出て来て、マギーが一旦負けて、けどリベンジで勝利して、うおおおおお!!! エイドリアーン的な感じになるにちがいない! と思いきや、えっ!!!って展開。もう、マジで、息止まった。そっからはずっと見てるのがキツい。ううう、ううううう、ううう。キツい、キツい。何もかもがキツい、って思いながら見続けた結果、最後は完全脱力。マジかよ。「結局ほとんどの人間が床掃除などしながら、自分の才能を発揮するチャンスがオレの人生にはなかったと悔やみながら死んでいく。」 たしかにその通りだ。とはいえよ、これはあまりにもキツいよ。そして、彼女のリング名モクシュラの意味……。最後に彼らのとる行動がどんなものかはネタバレになるから書かないけど、ものすごく我々に考えることを迫ります、もし自分が彼らの立場だったら、どうするだろうか、と。自分は絶対フランキーと同じ行動には出ないと思うけど、じゃあ代わりにどうするだろう。個人的に答えはひとつしかないが……それでも茨の道。自分の最愛のひとがこの状況になったら…と考えただけで涙が出てくる。はぁ…。こんな激しくダメージを受ける映画久々に見たわ、いや、ここまでのは見たことないかもしれへんわ。イーストウッド…こんな映画も作ってたとは…激しすぎる。イーストウッドとモーガンフリーマンの滋味に満ちた演技、ヒラリースワンクのハート揺さぶる熱演、そして、派手さはないが、ジンジン体中に染み込んでくる丁寧な演出と音楽。完全に打ちのめされました。ホントきつかった。けど、また見たいと思うし、多くの人に見てもらいたいと思う。しかしだがね、諸君、覚悟して見るんだよ。軽い気持ちで見たら傷ついちゃうからね。
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