彦次郎

エスパイの彦次郎のレビュー・感想・評価

エスパイ(1974年製作の映画)
3.0
秘密組織の超能力者たちが悪の組織の超能力者と対峙するアクション映画。タイトルのエスパイなる言葉は造語でエスパーとスパイを合わせたものです。原作はSFの大御所である小松左京氏。
レーサーである青年三木次郎が主役かと思ったら彼はエスパイがどんなものかを視聴者に知らしめる導入キャラ(副主人公扱いではある)でした。で、主役はジャケットのメインにもある田村良夫。物語の筋としての必然なのか超能力が消え肉弾戦で乗り切るのですが演じる藤岡弘の影響もあって元々無くても問題なさそうな気もします。結局はテレポーテーションという高度な超能力を得ているのですが「超能力=愛」で押し切る辺りは寧ろ清々しいほどです。
大人向け特撮モノと捉えれば良いのですが、逆エスパイとかいう敵対するボスであるウルロフが過去に迫害を受けたことを語りだすのはいかがなものか。これは個人の感性になりますが敵の大ボスに同情すべき余地があると敵へのヘイトが薄まり爽快感が薄れる気がします。終盤も屋敷での死闘と何だか世界的な物語にしてはちょいとショボめなのが残念でした。
そんなことよりも男性諸兄(勿論小生も含む)としては由美かおる演じるマリア原田(芸人みたいな名前だが…)、薬を盛られ裸に向かれ貞操の危機に瀕する場面が印象的だったのではないでしょうか。
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