ゲイリーゲイリー

クレイマー、クレイマーのゲイリーゲイリーのレビュー・感想・評価

クレイマー、クレイマー(1979年製作の映画)
3.0
失って初めてその大切さを知る。
序盤はダスティン・ホフマン演じるテッドが家事に悪戦苦闘する様や、ビリーとの関係性が上手く築けない様などを通して、メリル・ストリープ演じるジョアンナの大切さが浮き彫りになっていた。

しかし本作はそこで停滞するのではなく、テッドが徐々に良い父親へとなっていく。
その過程がとても素晴らしかった。

本作は「マリッジ・ストーリー」とは少し異なり、夫婦の関係性よりも子供を愛する親同士の気持ちに焦点を当てていたように思う。
ただ「マリッジ・ストーリー」同様、親権を巡る裁判というものは非常に不快なものだった。
過去の出来事を曲解し、相手が如何に価値のない人間かを証明し合う裁判。
かつては互いに愛し合った者同士なので、尚更それが辛い。

互いに子供を愛する気持ちを持つが故に、争う結果になってしまうのは子供にとっても悲しいことだ。
ラストシーン後、三人が幸せになってくれることを願わずにいられなかった。