踊る猫

フローズン・タイムの踊る猫のレビュー・感想・評価

フローズン・タイム(2006年製作の映画)
2.8
ボンクラな映画だなあ……『快楽天』あたりで展開されそうなストーリーのお話。エッチな要素をアートで言い繕っていないところに監督の誠実さを見るべきか、それとも本当にただの凡人が撮った映画として受け取るべきか。ストーリー的にはツッコミどころ満載で、ギャグも滑っていて安っぽいのだけれど、監督が拘ったと思われる女体の美しさだけはなるほど綺麗で、そこで私自身の俗情とでも呼ぶべきものが擽られてしまった。とは言え妙に上品というか、女性に薦めても別段嫌な顔をされない映画であるという印象をも抱く(『アバウト・タイム』が好きな方はどう観るのだろう)。これもまた監督の戦略故のものか、ただ単になにも考えず撮ったらこうなったのか。判別し難い。いや、なかなかこの安っぽくて下らなくてだけれど心にちょっぴり切ないものが残る感覚は言葉に表現し辛い。最後の雪景色の場面のキスシーンが素敵で、そこでこの映画が救われた印象をも抱く。
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