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火宅の人のkazu1961のレビュー・感想・評価

火宅の人(1986年製作の映画)
3.8
「火宅の人」
1986/4/12公開 日本作品 2018-220
日本アカデミー賞最優秀作品賞
再鑑賞シリーズ
1987年第10回 日本アカデミー賞最優秀作品賞

真面目に堕落していく男・檀一雄の自伝的小説の映画化なんですね。檀一雄は本作にも母親役で出演している檀ふみの父親ですね。
火宅とは「燃え盛る家のように危うさと苦悩に包まれつつも、少しも気づかずに遊びにのめりこんでいる状態」を指すんですね。
主演の緒方拳は、本当にこの「火宅状態」の男を演じるのが上手いです、真面目な小説家が「火宅状態」に落ちていく、そんな演技を観るのが本作はの楽しみかと。
緒方拳演じる真面目だった主人公は5人の子供を持つ父親ながら、浮気相手との初めての旅行、同棲を妻にも周囲にも隠さずまさに自由人になっていきます。そんな男・家族を支える妻をいしだあゆみ、愛人を原田美枝子、行きずりの女を松坂慶子が演じています。豪華女優陣が圧巻の存在感!濃厚な性描写と素晴らしい自然の風景も、この作品を盛り上げていますね。そして、昭和を感じる井上堯之の音楽も素晴らしいですね。
主人公はさておき、凄く素晴らしい女性たちの心境に同調してしまうのは私だけでしょうか?

家庭を捨て、新劇女優と同棲するなど、自由奔放な作家の生き方を描く。檀一雄原作の同名小説の映画化で、脚本は神波史男と深作欣二の共同執筆。監督は深作欣二。主題歌は、嵯峨美子(「火宅の人」)。出演者:緒形拳(桂一雄)、いしだあゆみ(ヨリ子)、原田美枝子(矢島恵子)、松坂慶子(葉子)、檀ふみ(桂一雄の母)ほか。
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