【時の流れは妙におかしなもので
血よりも濃いものを作ることがあるね。】
確実にマイ・ベスト・ムービーとしてタイトルを挙げたい本作。
かなり頻繁に観返してます。
何かを犠牲にしても貫かなくてはいけない信念がある。
敵対する立場であるヴィンセントとニール。
しかし、相反する2人の中に確実に存在する共通項。仕事のために孤独を望む男。そして否定しつつも心のどこかで相手を認め、相手に向けるその銃身に込められたのは「称賛」。
ただただ、観たことないという方には観て欲しい。
人間の繋がりとは血が作るものか、はたまた時間か。
ヴィンセントとニールの2人だけでなく、ヴィンセントの妻・ジャスティンとその娘・ローレン以外は血の繋がりのない人間関係ばかり。
仕事仲間、夫婦、義理の親子。
例え憎まれ口ばかり叩いていようと、最終的に切れない繋がりを作るのは血ではなく時間だということ。
そして何かを犠牲にしても切れない繋がりもある。
ヴィンセントとニールにも時間は短くともそこには兄弟に似たものがあったはず。
アル・パチーノとロバート・デ・ニーロが同じ画面に収まるシーンがあまりに無く、カフェのシーンも実は別撮りで、カット割りで上手く共演してるように見せてるなんて話もあります。
犬猿の仲であるという噂がありましたが、実際はデマだとかそうでないとか…
こんな逸話も名作たる所以だったり。
ということで、表向きはハードなクライム・ムービーですが、仕事に生きる男とそれぞれの事情が細かく描かれていてどちらかというと群像劇。
登場人物も多いですが、仕事にかけるそれぞれの思いがとても丁寧に描かれていて、長尺なのに飽きない。
そしてやはり、夜明けの空の色が美しいんだよなぁ…
余談ですが、このジャケット写真。以前は黒ベースにアル・パチーノとロバート・デ・ニーロのアップだったのですが、ここ1年くらいの間に変わりました。
前の方が絶対カッコよかったと思うんだなぁ…