コリンズ(アンジェリーナ・ジョリー)は、いつものように、学校の放課後時間に合わせて、息子を迎えに行く。ところが、いつまで待っても、息子は、門の外に出てこない。先に家に帰ったのかもしれない。・・・急いで家に戻って、部屋中を探すが、居ない！ 誘拐されたのである。ここまでのアンジェリーナがいい。
日本にも、それまで元気でいた家族のひとりが、忽然と消えてしまった、という実話が、各地に残されている。「神隠し」「人さらい」伝説と云われるものである。その最悪なのが、北朝鮮による拉致であろう。所轄警察縄張りによる弊害のいい例になってしまった、と私は思う。
昔のはなし、生活に困った女の最悪なれの果てが、遠洋漁業船に売り飛ばされることだ、と聞いたことがある。カツオ・マグロ漁業船が、インド洋、アフリカ沖など、世界中の海に繰り出していたころ、その船員たちの性欲の慰めとされた。使い物にならなくなったら、海に放り出せばいい。脂ののった人肉は、海の生物の格好の餌になったことだろう。あくまで、昔のはなしである。ということは、この映画の頃かなあ。
カラーがいい。アンジェリーナ・ジョリーの真っ赤に塗った唇、それでなくとも分厚く大きな唇が、いっそうグロテスクでもある。もし、あくまでも、もし、の話・夢として、彼女と唇を重ねたら、鼻の下からアゴのちょっと上まで、ふさがれてしまうかもしれない。(オーバーだなあ。聞いたら彼女、怒るぜえ)
彼女の職業は電話交換手、当時、ローラースケート靴を履いていた。本当のことである。普通の、例えば、ハイヒール靴だと、コツコツ音がする。潤滑油を十分に浸透させたローラースケート靴で、騒音防止した、というわけである。
フロアーカーペットというものが無かった時代の、苦肉の策だった。
補足:２０１４年４月１６日、韓国船「セウォル号」が沈没して、ちょうど１年が過ぎた。乗客２９５人が亡くなった悲惨な事故だった。
船長は、いち早く船外に脱出、船主は、行方をくらました。
これは、「雲隠れ」というので、お間違いのないように。
年月は、弾丸よりも、すごい速さで飛んでいく。
