【彼女は聖女か、はたまた魔女か】
この作品、相当攻めてます。
リュック・ベッソン監督作品、主演・嫁、という、初見の時は「公私混同甚だしいな、おい」と思いましたよね、本当。
(実際のところはミラ・ジョヴォヴィッチがダンナを手玉に取るのが上手いんだと思うんですよね笑)
世界一有名なヒロインであるジャンヌ・ダルクの生涯を描いた作品。
これかなり過激でした。
というのも、ジャンヌ・ダルクを神の遣いとしてではなく、人間として、普通の少女として描いているのです。
ジャンヌ・ダルクという女性は美化された偶像なのではないか?
確かに人権の観点から考えるとジャンヌはあまりに理不尽で非人道的な扱いを受けています。
ただ、彼女の証言が真実であることを証明はきっとできない。
「アイドル」の本来の意味は実は「偶像」で、元々は崇拝する対象を表す言葉。
そう考えるとジャンヌの神に捧げる忠誠心は現代の行き過ぎたファン心理と変わらないんですよね。
アニメキャラを嫁と呼ぶおじさんとか、好きな歌手の曲を自分へのラブレターだと思い込んでしまうグルーピーとか、そういう人がたまにいたりしますが、そういう感じと対して変わらないのかも知れません。
現実を自分の都合の良いように思い込んだだけなのでは無いか?
神の言葉だと言い、そこに自分の意志が無かったと言い切れるのか。
少しずつ争いを望み始めた自分自信の言葉を神の言葉だと謳ってやしないか。
ということで、ジャンヌ・ダルクという女性のイメージが大きく変わるかも知れません。
一途すぎる思いは時に周囲からは狂気に見えることがある。
それを諭すように現れたダスティン・ホフマン演じる聖人はとても効果的なキャラクターでした。
そして王太子を演じたマルコヴィッチですが、この方中世が舞台の作品もよく出演していますが、毎回微妙な感じがしてるのは私だけなのでしょうか?
元々舞台出身の方なのでこういう作品向いてるのかもしれませんが、ルックスがいまいち馴染みませんよねww
今回も見事なとっつぁん坊やっぷりでした。