せーじ

天然コケッコーのせーじのレビュー・感想・評価

天然コケッコー(2007年製作の映画)
4.0
178本目。
「地獄めぐりツアー」を連続で行うのは、さすがに精神的に辛いものがあるので、1本おきにそうではなさそうものを挟んでいこう!…ということで、選んだのがこの作品(これもマンガ実写化映画には違いないのですが)。
監督は「オーバー・フェンス」の山下敦弘さん、脚本は、朝ドラ「カーネーション」、映画「その街のこども」「ジョゼと虎と魚たち」の渡辺あやさんが手がけているということで、座組も完璧!
いそいそとDVDをプレイヤーに入れました。

いやぁ、夏帆さん超可愛い…
島根県の海辺にあるとある村が舞台。中学二年生の夏帆さん演じるそよ達が通う学校に、東京から転校生の男の子がやってきて…というお話。
ドラマチックな出来事がドラマチックに描かれるのかというとそんなことは全くなく、坦々と日々が過ぎていきます。特にひねりもありません。けれども、ダレることなくその後の展開が気になって目が離せなくなってしまうというのは、主人公をはじめとする登場人物の人間関係が、とても丁寧に描かれているからなのだと思います。
そもそも、冒頭の人物紹介のくだりで、観客のハートをガッチリと掴む構造になっているんですよね。やっぱりあの学校の子供たちはみんなとても可愛いですw
特に最年少のさっちゃんは五億点。反則です。
それと、子供たちだけではなく、大人たちの人間関係のバランスもうまく脚色されていて、それがまた子供たちに微妙な影響を与えていたりしていて、そういう物語内での緊張感の揺さぶり方がとても秀逸だと感じました。
祭りのシーケンスやバレンタインデーのシーケンスは、それがとても効果的に成されているように思います。

欲を言うと受験のシーケンスだけは、二人の人間関係をもう少し大きく揺さぶって欲しかったのですが、それはちょっとゼイタクかなと思ってしまうくらい、目や耳に優しい描写がてんこもりな作品であるので、気軽に観るのには最適な作品だと思います。
ほのぼのとしたい時にぜひ。
せーじ

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