マヒロ

ペイルライダーのマヒロのレビュー・感想・評価

ペイルライダー(1985年製作の映画)
3.0
利権がらみのゴタゴタで鉱山主・ラフッドから嫌がらせを受け続けていた峡谷の村のリーダーであるハルは、町に買い出しに行った際もラフッドの手下に言われない暴行を受ける。その時、青白い馬に乗った謎の男(クリント・イーストウッド)が現れ暴漢を叩きのめしてしまう。村に招待された男は牧師という身分を明かししばらく身を寄せることにするが、それを脅威に感じたラフッドは冷酷な保安官ストックバーンを雇う……というお話。

名無しの凄腕ガンマンが突然現れ事件を解決して去っていくという分かりやすい西部劇。名無しの男が実はもう死んだ男なのではないか……という匂わせをする辺りは『荒野のストレンジャー』っぽいが、それ以外の部分も王道ど真ん中な展開を見せるからか、セルフパロディっぽく感じるところが多かった。
敵となる保安官のストックバーンは、部下を6人引き連れているが彼らは一言も喋らずストックバーンの指示に従うのみで、本人にそこまでカリスマがあるわけではないがスタンド使いみたいに部下を扱うのがキャラクターとして面白かった。

イーストウッドは安定の格好よさだが若干カッコつけな部分が見えており、自分が身を寄せているハルの家の奥さんと娘に同時に惚れられるというのはちょっと色男すぎて笑ってしまった。年端も行かない女の子にめちゃくちゃ求愛されてそれをいなすシーンとか、自作自演でやってると思うと複雑な気分になる。
初期作の勢いや後年のシャープな作劇とはまた違うイーストウッド中年期の作品ということで、何となくどちらにも転んでいない中途半端な印象のある作品だったかも。

(2022.164)
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