東京アリス

スパイダーマン2の東京アリスのレビュー・感想・評価

スパイダーマン2(2004年製作の映画)
4.4
【苦しさから逃避するも、脱皮して真のヒーローになるまでの人生の神髄を娯楽にのせてお届けする感動アクション超大作】

私にとってハリウッド超大作に期待することは
・大規模な世界観 ・豪華キャスト ・最新映像技術 ・ぬかりない完璧な仕上がり ・スッキリ爽快なラスト 

とにかく大がかりな仕掛けで「おぉ~~」って言わせてもらえる、というもの。
それがそれが本作では、全く期待していない「生き方を揺さぶる」ものでした。掛値無しの感動があった。

ヒーローであることの苦しさから解放されて、社会的には「まとも」でいられるし、人付き合いも人並にできる、でも満たされない。
とはいえヒーローとしての力も戻らないジレンマ…。

ピーターが仮面を脱いだ時、ヒーローとしての脱皮が始まった。
そして、ピーターの素顔を見た市民も「誰にも言わないよ」変わりはじめる。
自分の使命を完全に引き受けた時にパワーが戻り、愛する人にも、その苦しい運命込みで一緒に生きていこうという覚悟が宿る。

「中途半端な気持ちで生きるなんて間違ってる」
前作から、あまり好感の持てないヒロイン(でも女の生き方としては正しいような気もする…そうは言いたくないんだけど)MJが一気に共感&そうでしょ!そうこなくっちゃ‼

自分の人生の課題みたいなものがあって、いくらでも理屈つけれるし逃れることがまっとうな道のように見える。
私もピーターみたいに逃げたことがあって「もういやだ」、ずっと人生から単位のおあずけくらってる課題のようなものがあるけど、それに向き合う勇気がなくて…そんな時間が長くなって、「中途半端な気持ちで生きる限界」を感じていた。
まさかハリウッド作品の主人公にここまで共感させられるなんて…!
私も真のヒーローになろう。
それはきっと自分で気付いている課題に向き合うということなのでしょう。

メリージェーンが婚約者と、宙吊りキスを再現するシーンがいい。
マリッジブルーで自分の気持ちを確かめているのです。

「秒で判断する病」のJKシモンズが新郎の父でちょいちょい出てきてくれて嬉しいし、悪役も最高!見飽きないビジュアルで、本当に面白かった!
ピーターが、力が戻ってなくて踏ん張る顔が、かっこよくなくてホントに変な顔なのもすごくよかった!
「1」は、マンガ的すぎるキャラ造形が「原作ファン尊重」して承諾していたけど、どこをどう見ても楽しめた!
わざとマンガっぽいカット割りなんか(ドク・オクの攻撃シーン)もむしろ大歓迎でわくわくしさえして。

ストーリー、映像効果、演出、俳優の心技体が整った完璧な作品だと思う。
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