東京アリス

グラディエーターの東京アリスのネタバレレビュー・内容・結末

グラディエーター(2000年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

【誇り高い元・将軍が、コロッセオの見世物の闘士となって国王とバトルする】

ローマ帝王から国を譲りたいと指名される名将軍が、皇帝長男コモドゥスの嫉妬から追放され、コロッセオの闘士となってしまう。

公開当時、圧倒的な兵士の数やCGで見せ場が出来る映画が多い印象で、観そびれたままでした。

イメージ通り、圧倒的多数のエネルギーがすごい映画だった。
(「映画館でぜひ」な映画だったでしょうに)
コロッセオの殺し合いに人々は熱狂していて、主人公マキシマスが「これが楽しいのか⁉」と怒り叫ぶ。

ローマのコロッセオに立った時、殺し合いを楽しむ建物の規模じゃないと驚いたものですが、集団心理が逆に興奮をたかめた娯楽として成立していたのだと本作を観て思いました。

映画でも群衆の総意に反しないよう、コモドゥスがマキシマスを殺すに殺せないジレンマに陥るシーンがあった。自分の親でもある皇帝を暗殺できる奴なのに、それには逆らえない位の群衆パワーが感じられる。

ヒーローを際立たせるのは「悪」だとよくわかる。
マキシマムに見合ったライバルというよりは、卑怯で小者なのに、次期皇帝という立ち位置だけが立派な悪役で、格の違いに見合ったラストを迎える。という意味で、おとぎ話っぽいシンプルなストーリーの印象。

庶民出のヒーローで、人格者でもあるマキシマス。
元から出来たスゴイ奴、というよりは、兵士が「力と誇り」を積み重ねたからの人望という感じが良かった。
それは、奴隷の身となっても仲間に慕われ、立場で敬われていた訳ではないということがわかる。
亡くなったコモドゥスが、誰一人近寄らず放置されているのが、哀しく対照的なラストだった。

最近のコメディ寄りだったりダークヒーロー的なラッセル・クロウの、全盛期イケメン時代を見れて満足。
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