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塔の上のラプンツェルのabeeのレビュー・感想・評価

塔の上のラプンツェル(2010年製作の映画)
4.5
【醒めない夢を見よう】

自分でもびっくり。
「プリンセスなんて信じないワ」フィルター絶賛作動中の私の色眼鏡で観ても尚、最最最高の作品でした。

この作品が公開されたのは私が20歳の頃。
当時雑貨店で働いていたのですがラプンツェルのグッズとかもすんごい売れてました。同僚の人たちも「ラプンツェルカワイイ❤️」と皆さん言ってましたが、私にはよく分かりませんでした。
ジャスミン、アリエル、ベルがカワイイと言うのはなんとなく分かるけど、ラプンツェル⁇
だって髪の毛めっちゃ引きずってるよ⁇
こんなんホコリ集めるだけのただのモップだよ。汚いよ、と。
こんなんで森の中駆けずり回ってみ⁇ムカデの1匹や2匹捕まえてるよ、と。

そんなラプンツェルが何故カワイイのか。

本編を観て初めて気づきました。
ラプンツェルがカワイイのではない。
これは王子様が抜群にカッコいい‼︎
こんなにもカッコいい王子様と結ばれ、尚且つ幸せを手に入れるプリンセスに憧れるのだと‼︎‼︎

そもそもこの作品、実は王子様の視点で物語が進んでいるのですね。
これは私の好きな傾向です。

それに、現代的な王子様像。
今作の前に製作された「プリンセスと魔法のキス」は観てないのではっきりと言い切れないのですが、あきらかに今までのディズニー作品とは違うのです。
自信家でタフガイぶってるけどどこかマヌケで三枚目、あご髭を生やしたアウトロー。
そして何より自分の知らない世界を見せてくれる。

もう惚れるよね。
こんな男理想すぎるよね。

先日の「美女と野獣」のレビューで少し触れましたが、ディズニーのプリンセス像は時に批判の的になってきました。
プリンセス像を変えるだけではダメなのですね。時代にあった王子様像が描けなければプリンセスも時代錯誤になってしまう。
これはディズニーの大胆な変革のきっかけになった作品なのだと思います。

それでいてディズニーの王道を押さえるところはきっちり押さえてるんですよ。
プリンセスの呪いを解いてくれるのは王子様であるという王道ストーリーだけは外さないんですよね。
ラプンツェルの髪に宿った力は最早彼女を縛る呪いなんですよ。
自分の命を賭けて呪縛から解き放ってくれる王子様。
最高すぎる。

それにテンポが良い‼︎
ポンポンとストーリーは進むけれど偶然出会った2人が何故惹かれ合うのかも丁寧に見せてくれるし、ラプンツェルが真実に気づくシーンはちょっと御都合主義な感じでしたが、それ以外はもう貶しようがなかったです。
またフリン・ライダーとマキシマスのコンビも良いんですよねーー。

ということで、とにかく本作の王子様、フリン・ライダーが素敵すぎる‼︎
ひとつひとつの表情、動き、セリフ、全てが最高。
ラプンツェルもフリン・ライダーもどちらも完璧なプリンセス、プリンス像じゃないんですよね。
ラプンツェルなんて最初躁鬱激しすぎてヤバい子ですからね。
あんなに地面にめり込むほど落ち込むプリンセス初めて見ました笑
とにかく笑えて、ときめいて、それでいて王道‼︎

本当は書きかけのレビューが2つ溜まってたのですが、そっちを後回しにしてこっちのレビューを書きました笑
ラプンツェルに憧れる女子の気持ち、存分に堪能しました❤️
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