もものけ

マイドク/いかにしてマイケルはドクター・ハウエルと改造人間軍団に頭蓋骨病院で戦いを挑んだかのもものけのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

精神科医の父親が共同研究をするドクター・ハウエルは、邪魔になったためにマイケルを利用して、一家惨殺事件を起こさせて精神病院へ監禁してしまう。
退院したマイケルは、父親の敵を打つために、ドクター・ハウエルが待つ精神病院のある島へと向かう。





感想。
薄っぺらい色彩にノイズ入りまくりのVHS映像でしか鑑賞できなかった作品が、HDリマスターとなって高画質・高音質になり、こんな色彩と明暗あるフィルムの映画だったのかと驚きを隠せないカルト・ホラー映画。

絵コンテでしっかりと場面構成をたてたように思えるほど、カメラ構図が良く撮られており、照明効果がサイバーパンクな世界観を作り上げる完成度は、ゴミ作品と呼ばれて批評ばかりの作品を、ここまで引き締める印象が変わるほどにも。
個人的には割と好きな作品だったので、ふざけたストーリーや、とてもオススメできないカルト臭漂うメチャクチャな展開は、映像の質が上がると評価も上がるというほどに、盛り上げてくれました。

防空壕でのバイク・スタントのなかなかな気合い、赤や黄色の照明で彩られたスモークばっちりの雰囲気、グロテスクな改造人間、ゴア描写も頑張っており、ホラー映画としてはB級低予算とは思えないほど。
炎に焼かれる改造人間とジェニーの派手な死に様の美しい映像美など、お化け屋敷と化している精神病院の惨劇を予算を誤魔化すカット割のうまさと、気合い入れるシーンへのこだわりのバランスが丁度よい。

コロコロ変わる若いのか年取ってるのか、筋骨隆々なパンクロッカーであるマイケルくんが、ロボトミー手術を受けたから不安定なのねと言い聞かせて鑑賞すれば、なるほどと気にもならなくなる不思議。

役者達の個性的な顔立ちと、高めの演技力がコミカルにならないスパイスとして効果的です。

ここにカメラワークのうまさと、カット割でのスピード感を持たせ、映像センスで誤魔化しが効いていて、むちゃくちゃなストーリーでも80分程度の尺のちょうど良さが相まって、ホラー映画としては良く出来ております。

個人的には、3点を付けさせていただきました、というほどに楽しめた珍作でございます。

もっとも印象的なのは、"マイドク/いかにしてマイケルはドクター・ハウエルと改造人間軍団に頭骸骨病院で戦いを挑んだか"という長いタイトルを覚えられるかと、子供ながらに頑張ったことでした。

ちなみに再販版のジャケットは、主人公マイケルではなく、もう一人の主人公パンクロッカーであるスパイダーくんです(笑)
まるで主人公のよう。
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