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ぼんちのkoyamaxのレビュー・感想・評価

ぼんち(1960年製作の映画)
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市川雷蔵VS女性たち
放蕩の限りを尽くす男は果たして「ぼんち」になれるのか?

「若尾文子を観る」一環で鑑賞。
ですが、市川崑、市川雷蔵、京マチ子、宮川一夫を視る系譜にも繋がり。
原作山崎豊子。そのほか錚々たる面々。

市川崑監督をはじめ、関連スタッフ、キャストの好きな映画はむしろ他にたくさんあるし、それは変わらないのですが、
上記のスタッフキャストらそれぞれの個性的な魅力を全部を堪能したい、
という意味で求める「一つなぎの大映映画」はここにあるという感じでした。いやはや超超豪華映画。

市川崑作品(+和田夏十)は儚く滅びやすい、一つの瀬戸際の世界を描くことが割と多いと思うのですが、この作品もその一つに数えられると思います。


船場の足袋問屋の倅の女性変遷。
若旦那のこういった世界観はポリアモリーということなんでしょうか?
ある種の多様性の縮図なのかわかりません。。

女性を翻弄しているのか、翻弄されているのか
雷蔵の女性と向き合っているのかいないのか、
曖昧でいて悪びれない「どうしようもないぼんぼんな感じ」が今まで見たことないはまり役に思えましたね。こっち方向の方が程よく突っ込み入れたくなるくらいには人間味ある笑


そして市川雷蔵を取り巻く女性陣、
彼女ら一人一人と渡り合う若旦那、雷蔵を通して
この時代に生きる女性たちの強さ、気高さ、不憫さ、したたかさなど
女の生き様も描かれているように思えます。
その女性たちも様々な理があるので、
一人一人の違う主観に置き換えて何度も見返してそれぞれの生き方を味わうのもよいかもしれません。
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