ぼんちの作品情報・感想・評価・動画配信

「ぼんち」に投稿された感想・評価

年始の『炎上』に続く、市川崑×市川雷蔵作品。

足袋問屋の若旦那の放蕩を描いた作品だが、雷蔵演じる喜久治の女遊びにはギラギラとしたところがなく、むしろ弱さからフラフラと女にしなだれかかるといった風情を感じた。その弱さを品性で包んでいるので、見ていて嫌味がない。

原作者の山崎豊子は、この映画で描かれた喜久治にあまり納得が行っていないらしく、「市川昆の『ぼんち』であって自分の『ぼんち』ではない」と述べているみたいだけど、原作はまた違う趣きなのかな。

山田五十鈴、若尾文子、京マチ子、草笛光子、中村玉緒といった、雷蔵を取り巻く豪華な女優陣も見所のひとつ。『愛の讃歌』の越路吹雪って演技もするんだ!
京さん、若尾さん、越路さん、僕も湯船に入ってよろしゅうございますかなおはなし。


女遊びに現を抜かす若旦那…所謂"ぼんぼん"が、戦前戦中そうして戦後の、大阪は船場にて、立派な"ぼんち"へと成長する又はしない過程が描かれている。
まあ父と息子と妾とババアによる、万事が万事その通りに進むだけのものであり、そこにドラマというものを感ずる事はあまりできず、正に過程といった印象であるが。
しかし終盤には全く環境がために、彼の物語は、彼ならざる物語であったのだと気付かせられる。なるほど秀逸な演出。結局、屈強な女たちに翻弄されていただけなのかと思えば、すべて自業自得に思えた男の身の上も、やはり哀れなりと同情せざるを得なくなってしまう。面白い。

そうして俳優・市川雷蔵。
彼の声や顔を思えば、他にこの役に当てはまる人物など想定できようがない。いよいよ僕は、この人の魅力に気付いてしまったのかも知れない。


最後に一つ。
忘れがちな或る人物の存在に就いても、たいへん面白かった。最後の台詞、そうして幕引きに於いては、劇中の世界にいよいよ吸い込まれる感覚に陥ってしまう。
思えば、オープニングから既に本作にはひきこまれていた。お婆ちゃんを映すカットまでもが陰影に富んでいて、身体中がゾクゾクしてしまっていたのだ。

市川崑…うん。いい頃合いかも知れない。そろそろ、世に名高い、あの昭和傑作ミステリーを観るとしようか。
レナ

レナの感想・評価

4.0
ラストの京マチ子、若尾文子、朝丘雪路のお風呂シーンがとにかく良い。
yu

yuの感想・評価

-
「焼け野原の大阪を肴に飲んでまして」戦中、空襲にあった後の京マチ子のセリフが強烈
majizi

majiziの感想・評価

4.0
大阪船場にある足袋問屋の河内屋五代目、一人息子の喜久治の物語。

豪華な女優陣を目当てにみましたが、
それを上回るほど、市川雷蔵のぼんぼんっぷりに参りました。

絶対こんな若旦那、実際にもいたんだろうな〜ってほどの自然体。
男前で優しい、かつ色気があって愛嬌がある。
もちろんお金もある。
モテないわけない。
雷蔵様の演技は完璧!

実質お店を仕切っているのは祖母と母。
父は婿養子で肩身が狭そうだけど、
今際の際に息子の菊ぼんに秘密を打ち明ける。

祖母と母の選んだ嫁、弘子(中村玉緒)も
二人のいけずにやられ、最終的には追い出されてしまう。
二言目には「しきたり」の連呼。
おそるべし、船場商家のプライド。

そんな中、菊ぼんは妾をどんどんこさえていきます。

芸者のぽん太(若尾文子)
幾子(草笛光子)
カフェーの女給比佐子(越路吹雪)
料亭の仲居頭お福(京マチ子)

妾に子供ができたり、戦争もあったりと時代が変わりゆく中で
ちゃんとお妾さんの面倒をしっかりみてあげるのは
やっぱりぼんぼんならではなんですかね〜
セコさが1ミリもない。

とはいえ物語は
女はもうこりごりですわ〜という回想記で始まることから
菊ぼんの人生をどう見るか、ですね。

それにしても、終盤に菊ぼんがドン引きしちゃう
若尾文子、京マチ子、越路吹雪の入浴シーンは大変エロく
女性のたくましさ、しなやかさ、したたかさが詰まった名シーン。
Fumiya0928

Fumiya0928の感想・評価

3.9
最後の女三人の風呂のカット。
画面一杯に映された女の裸体が躍動するカットによって、たくましい女たちに最終的に敗北する男の小ささ、ひ弱さが強調されている。
え

えの感想・評価

3.8
結構破茶滅茶なことが起きているのにいつの間にかどこか哀愁愛着を感じていた、市川雷蔵がそう思わせる空気を漂わせていた
女という存在の美しさにはやはり叶わないところあるよな、と思わせる映像はつくづく良いな、、
女系家族などでも思ったが船場言葉はそれだけでぐっとくる、この時代の女性の逞しさ本当に取り入れていきたい、
大阪の足袋問屋の跡取り息子の不思議なぼんぼん人生。

結婚せずに妾を何人も囲い、空襲で大打撃を被り、かなり山あり谷ありの人生のように見えますが市川雷蔵の佇まいにはそんな感じがありません。
私、妾なんか囲ったこと無いし居たとしても妾に払う財力なんか無いし、社長という地位にもなったことも無いし、そんな私には当人の心情なんか理解できるはずも無いのですが、それにしてもこんなに人生を平らかな心持ちで生きていけるものなのか?と感じます。
そんなところがぼんぼん(ぼんち)たる所以なのでしょうか。

どんなに劣勢な試合になってもあまり顔に出さない錦織圭(なんとなく顔が雷蔵に似ている)のプレーを見ているようです。
Tuberkuru

Tuberkuruの感想・評価

3.8
大阪商人ものが大好きなので満足です。でも、結局、ぼんはどんな人なのか解らずじまいだった。

このレビューはネタバレを含みます

色香の物語。市川崑の中で一番好きです。男も女も、芸の色香、気品の色香、知性の色香が溢れています。市川雷蔵のナチュラルさは特筆もの。
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