アンデス山脈の未踏壁に挑み、遭難した若き2人の登山家の壮絶な物語。
この事故が起きたのは1985年。
イギリス人登山家のジョーとサイモンは、未踏壁の登頂には成功したものの、下山途中でジョーが滑落。
互いの姿も見えず声も聞こえない状況で、ザイルだけが繋がっていた。
死がすぐそこまで迫っているなか、サイモンはザイルを切るかどうかの選択を迫られる。
当事者のインタビューと再現ドラマを交互に観せる手法は日本のテレビでもよく見かけるため、当初は映画にする意味があるのかと疑問を感じた。
しかしこの再現ドラマの規模が違いすぎた。
監督はとことんリアルにこだわり、実際にアンデス山脈で撮影を決行。
その映像の迫力はスクリーンで観てこそだと実感した。
インタビューに関しては無いなら無いでいいと思うが、当事者の言葉の重みというものもあるので、これはこれで成立していると思う。
タイトルからしてザイルを切るかどうかがメインのように思えるが、そこからが凄まじい。
山に興味がなくても観る価値のある作品だと思う。