伝説の海賊王ゴール・D・ロジャーと覇権争いをした海賊金獅子のシキに仲間ナミを連れ去られ空飛ぶ島メルヴィユに飛ばされた麦わらの一味がシキに挑む劇場版第10作目。映画ストーリー（プロット製作）、コスチューム・クリーチャーデザイン、製作総指揮が原作者である尾田栄一郎氏。
原作者によるストーリーということもあって敵の強力さと島の動物たちの不思議さと仲間の友情と島民との触れ合いという『ONE PIECE』を構成する要素が隅々まで入り込んだものになっています。仲間ナミが自らの意思で離反してを取り戻すというのは原作でもありましたが本作も同様の形式。違いがあるとすれば敵のスケールでしょう。ラスボスであるシキは「フワフワの実」という自在に空を飛び触れた物を操ることができる強力な能力者というだけでなくメルヴィユ島の動物たちを狂暴化させ世界征服の手駒にしていく計画で他の海賊団も束ねるという広域指定暴力団の組長のような迫力のある人物でした。暴力団といえばルフィたち一同が乗り込む場面はまさに任侠映画のようであり尾田栄一郎氏の好みが窺えます。
なお当然のようにこの作品は大ヒットとなりました。先例はあるかもしれませんがジャンプで原作者が映画制作に大きく関与した嚆矢的作品だと思われます。
