えいがうるふ

魂萌え!のえいがうるふのネタバレレビュー・内容・結末

魂萌え!(2006年製作の映画)
1.2

このレビューはネタバレを含みます

萌えるどころか、くすぶりかけの不完全燃焼が120分以上も続いて窒息しそうになるストレスの塊のような作品だった。

どんな映画であれ悪役なり不快な人間は出てくるものだが、これほど登場人物のほぼ全てが不愉快な作品も珍しい。
妻を裏切ったままのほほんと死んだ夫ムカつく
息子身勝手過ぎてムカつく
話を聞いただけで大金をせびる詐欺師婆も、簡単に支払う主人公もムカつく
その甥が情けなさ過ぎてムカつく
スケベオヤジ最低だが簡単になびく主人公にもイラつく
愛人役三田佳子のふてぶてしさに凄まじくムカつく(演技は最高)
BBA集団のボート当たり屋は老害そのものこうはなりたくない・・・

何より、世間知らずで人が良過ぎで周囲の嫌な奴にいいように扱われる主人公に一番イラついた!!彼女自身がそういう自分から脱却して主体的に生きていく過程を描く作品なのだろうとは思ったが、無駄に尺を使って結局そこに行き着く前のイライラ過程だけで終わってしまった感。
風吹ジュンは若い頃の私の憧れの年上の女性だったのに・・あんなふうにいくつになっても可愛げのあるおばちゃんになりたいと思っていたのだ。いざ自分がその頃憧れた彼女の年齢に近づいて改めて観る彼女が全く魅力的に見えないのは非常に残念で寂しかった。

はるか昔に桐野夏生の原作を読んだ時は、何かもっと清々しい気持ちになれた気がして、その記憶を頼りに起死回生を祈るように観ていたが、話が進むほどますます不快になるばかりでついにラストシーンまで報われることなく終了。非常に残念だった。