フジツカ座

耳をすませばのフジツカ座のレビュー・感想・評価

耳をすませば(1995年製作の映画)
3.5
夏多忙過ぎて映画に触れる余裕がこれっぽっちもなかって、ようやく仕事が落ち着いてきたのと、夕暮れ時の切ない感じがここのところ妙に沁みるのと。あとゴーイングアンダーグラウンドの「かよわきエナジー」を思いだしたように聴く日が多くなってきたことなどから、本作を観ることに。


もともとの印象は主人公の2人の甘酸っぱさ、もとい、もうだいぶ甘ったるいラブストーリーで、ちょっと小っ恥ずかしさすらある。だけどその持ち前の若さと爽やかさと清々しさで全部吹き飛ばすくらいの強さが滲み出るみたいな印象がありました。


けどひさびさに観てみると今回はそういうのよりも、聖司と出会ったことで触発され雫自身が自分で路を切り拓いていく姿に心を掴まれました。
物語を書くことにただ悩み苦しむだけでなく、きちんとその立ち位置を自分で理解している事、やるって決めた、だけどやればやるだけ解らなくなって雁字搦めになっていくその姿にカタルシスを感じずにはいられず、ガンバレガンバレ!って応援したくなってくる。

今更ジブリをレビューするのとかちょっと寒い気もするけど、します!


聖司くんも聖司くんで、前はもっと魅力ある印象やったけど今回は案外そんなふうに映らなかったなー。え?おれそんなこと言ったっけ?とか言い出すし。そのくせお前より先に本借りて名前書きたかったとか言うし重いしちょっとこえーし。

自己中とかそんな言葉は当てはまらないけど、一人で突っ走ってるだけやん?って思ってみたりもしてしまった。や、もちろんそれを追いかけることに雫が魅力を感じたわけだから、それはそれで良しとなるのだけれど。

ま、中学生なんてそんなもんかって意味ではドンピシャなのかも。
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