フジツカ座

朝が来るのフジツカ座のネタバレレビュー・内容・結末

朝が来る(2020年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます


「朝が来る」観ました。

河瀬直美作品は映像が柔らかくて、眩しくない心地いい光のキラキラがあるように感じます。
本作は主演の二人が特にそんな印象で、作中二人の会話がめちゃくちゃ聴き心地よく感じました。

特別養子縁組が題材の作品ですが、
ひかりの役どころがもう目も当てられないくらい辛いことの連続で、出産後、産んだ子のこれからの人生に降りかかる不幸を自ら全部吸い取ったような、哀しい出来事の連続でした。
あの子を返してくださいとマンションへ行ったとき、二人に「あなたは誰ですか?」と言われてしまうシーンなんて、お母さんとしてとか以前に、ひかりとして存在を否定されてるようで観ていて苦しかった。
いなくなったトモカのスカジャン着てさ、なにかにすがるような気持ちだったのかなって思うと、ほんとにいたたまれなくて。

ただ佐都子も清和も朝斗を守りたいっていう親としての誠実さでもってちゃんと向き合っているだけで、かかる火の粉を振り払おうとしただけで、至極真っ当な姿勢でひかると対峙しただけで、"そう見えた"ことも、"出てきた言葉"も、間違いなんかではまったくなかったように思います。
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