フジツカ座

7500のフジツカ座のレビュー・感想・評価

7500(2019年製作の映画)
3.9

「7500」観ました。

Amazon studios配給作品で90分程の作品。日本での劇場公開はなく、Amazon prime限定の配信のようです。

イスラム系の過激派にハイジャックされる作品。ほとんどのシーンがコックピット内で展開されるので、舞台を観ているようでした。
マイケルとの気の置けない会話や、恋人とのホニャララ。テロリストの襲撃。面白いのは終盤、反逆した乗客達から逃れる為にテロリストの青年がコックピット内に入れてもらうっていう展開です。そのせいで結局身を危険に晒してしまうんだけど、映画の展開的には◎じゃないでしょうか。

↑ここから本作の魅力がグーっと深みを増していったと思います。

それは二人が自己紹介をするシーン。

と書くと、いやいやテロリストに自己紹介て笑 合コンじゃないんだから笑 と、なるんですが。

や、テロ的な高揚してた感情がスッと引くタイミングがあって、そのときに不意にどこ住み?とか聞くんです。どの辺?ああ、公園のあるところだね。息子のデニスとよく行くよ。

そんな会話がされるんですが、ここがすごくグッときます。なんかこう、前世では友達だったのかもね、みたいなニュアンスがあったわけでは全くないんですが、どうしてこうなっちゃったん。。どこで間違えたんだ。。

前世でけんか別れした友人と再会して仲直りするまでの会話のような。

なんかそういう感情すら勝手に思わせるとってもいいシーンでした。

ま、結局悶着しあっちゃうんですけど笑


ジョセフさんの演技も胸アツでした。
管制からの問いかけを素ムシして飛行機を立て直したり、はたまた管制からの問いかけを素ムシしてマイケルの処置をしたり、ひっ迫した状況下パイロットとして至って冷静で、かと思えば恋人が殺されそうになったときは乗客にガチで助けを求めたり(1人目のときはそうしなかったのに)残念ながら恋人を殺められてしまったあとは、コックピットをガンガン蹴ったり殴ったり。蹴っても大丈夫なところを蹴ってた辺り、やはり冷静だったなと。

殺されてしまったCAはぼくはスッカリ奥さんだと思って観てたんですが(2歳の子がいて幼稚園どうしようなんて話してたもので)旦那がパイロットで奥さんがCAで同じ飛行機に乗ることってある?と思ってはいましたが、二人は未婚の設定のようでした。
不倫の仲なのか、何か別の事情があってそうなのか、あるいは欧米ではそういう文化があったりするのかって、別の意味で過激派かよってどうでもいい事を考えてしまったりしました。
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