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誘拐犯のトルーパーcomのレビュー・感想・評価

誘拐犯(2000年製作の映画)
3.5
2000年公開のクリストファー・マッカリー監督作品。『M:I フォールアウト』公開に合わせて観賞。

◼︎自宅で映画を観る
レンタルしてきた映画を自宅で観る場合、途中で一時停止できてしまうのは良いところでもあり悪いところでもある。

劇場で「ハズレ」の映画に当たってしまった場合、退席しない限りは2時間シートに座っていることになるが、自宅観賞の場合はそこまで我慢して見続ける必要はないため、冒頭15分くらいでパッとしない作品と感じた場合、一時停止してしまう。
「ちょっとコーヒーでもいれよう」
「風呂でも入るかな」
など。

結果、そのまま続きを観ずに返却のパターンも。なので、さほど待ちわびていたわけでもない映画を自宅で観賞する際にはオープニングの「つかみ」がけっこう大事だと思う。

<以下、ネタバレあり感想>

◼︎オープニング
と、長々書いてしまったので、これを読んでいる方は「この映画はさぞかしオープニングがダメだったんだろうなあ」と思われるかもしれません。

真逆です。

この映画はつかみが最高。
冒頭3分で主人公の2人が何者か観客に紹介されるのだが、のっけから「ファッキン〜!」を30回くらい繰り返しながら2人に絡んでくるクズ女が登場。

「開幕2分間に最も多くFuckと発した映画」でギネスに載せようと狙ったとしか思えない怒涛のファッキン連呼に爆笑。

そして観客のイライラが一気に最高潮に達したところで主人公たちがまさかの顔面パンチ。

通常の映画では長い尺をとって描写した悪役を終盤で主人公がやっつけるシーンで観客はエクスタシーを感じるが、それをスタート3分でやってのける見事さ。

「女性の顔面をぶん殴るなんて!」というポリコレ勢からの批判に対しては、殴った2人が周囲の人々にボコられるというオチを用意してあるのでセーフ(?)
ちなみに殴ってる側はゲイである。

女性であってもクズなら平等に殴るべきだし、ゲイはゲイであることを理由に差別はされず、他人を殴ったことを理由にボコられているのでセーフ。

ポリコレに縛られた現代の映画界を予見していたかのようなポリコレクソ喰らえなオープニングはある種痛快である。

ということで、誘拐される妊婦を除いて登場人物ほぼ全員クズという本作を象徴するステキなオープニング好き。

◼︎アクション
終盤の銃撃戦は文句なしにカッコよく必見。
主人公の2人が、とてもタダのチンピラとは思えない、訓練された特殊部隊のような立ち振る舞いを見せるので興奮する。
ベニチオ演じるロングボーめちゃめちゃカッコいいし相棒のパーカーはベビーフェイスで憎めない。

前半の一風変わったカーチェイスの知的なトラップも見所。

◼︎映像
2000年製作映画なのに60-70年代くらいの映画っぽいレトロな映像。
一点透視図法的な、シンメトリーな構図が多用されていて印象に残るカットが多い。
ここはマッカリー監督の好みなんだと思う。M:Iフォールアウトでも似たようなカットが多用されていた。

◼︎好きなシーン
ラスト間際の銃撃戦中、パーカーが札束のある噴水(枯)に飛び込んだら、割れた瓶が敷き詰めてあるという原始的ながら効果的なトラップ好き。
見てるだけで痛い。

◼︎スコア
★3.5ですね!
ベニチオ以外あまり期待しないで観たけれど、けっこう印象の強い映画だった。
レンタルしてきたけど2回観てしまいました。
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