踊る猫

トレインスポッティングの踊る猫のレビュー・感想・評価

トレインスポッティング(1996年製作の映画)
3.4
スジ自体はあってないようなもの。ひたすらドラッグに明け暮れる若者たちの無為な青春を描いており、主人公のレントンは一旦そんな暮らしから脱出を試みるものの彼について回る「ダチ」とのしがらみに束縛されて逃げられずまた貧窮に喘ぐ生活に身を持ち崩してしまう。彼らを生み出すのはその自堕落な性格のせいなのか? それともスコットランドとはそういう国なのか? そのあたり私には分かりかねるが、ともあれどん詰まりのどうしようもない「社会」を生々しく(特に穢れた部分を強調して)描いたという意味では大したものではある。だが、最後のドラッグディーラーとの駆け引きや主人公の行動/決断がもう少しドラマティックに描かれていればと惜しく思い、「映画としては」大した出来ではないなと考えてこの点数にした。ネタを割るのは慎むが、この映画をハッピー・エンドだと私は考えない。レントンを待ち受けているのは多分新たなる絶望の始まりなのだろう。続編を期待して観たい。
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