Azuという名のブシェミ夫人

GO!GO!L.A.のAzuという名のブシェミ夫人のレビュー・感想・評価

GO!GO!L.A.(1998年製作の映画)
3.4
イギリスの田舎町、葬儀屋で働く小説家志望のリチャード。
ある日アメリカから旅行に来ていた女優志望のバーバラと出会い、1日だけのデートを楽しむ。
お互いの連絡先も聞かずに別れたが、彼女の事が忘れられないリチャードは、単身LAへ追いかけていく。
やっとバーバラに会えたけど、恋も人生も何だか上手くいかなくて・・・。

映画の出来は全っ然良くないです。笑
ストーリーはハリウッドで量産されている様なありきたりなラブストーリーですし。
でも、わたしコレ好き♡

得点を占めるのは、ほぼヴィンセント・ギャロ♪
まるでギャロが主役かのようなジャケットですが、彼はリチャードがアメリカで友達になる脇役です。
でもでも、そこはギャロですから!
目立たないわけがない。
登場から気怠そうな声で『YO!』と『COOL!』をずーっと連呼する、どう考えてもアホそうなヒッピー。
冷蔵庫にもCOOLって言ってたなアイツ。笑
イイ奴なんですけどね。
本作の監督ミカ・カウリスマキの弟、アキ・カウリスマキ監督の作品でもお馴染みのレニングラード・カウボーイズとギャロのセッションライブのシーンも楽しくて好き♡♡
ステージ上がカオス。
ギャロ急にフェロモン出し過ぎ。
かっこいいなぁ、もう。

ギャロのことばっかりになってしまったけれど、主役のデヴィッド・テナントのとことんダサイ感じもイイ。
ドラマ『ドクターフー』の大ファンなので、可愛くて仕方なかったよドクター!!
ヴィネッサ・ショウの気まぐれ小悪魔っぷり、林家パー子みたいにキャハーっと笑う脳内お花畑な感じのジュリー・デルピーも◎。
そして、変人ばかり出てくる今作の中でも異色のファンタジーな存在、映画『デッドマン』のポスター役ジョニー・デップ。
言葉を話さず、ポスター内から仕草だけでリチャードを導くデッドマン。
何それ、私にもそのポスターください!

ラブストーリーだけど、カルチャーショックなんかも描きつつ、ミカ・カウリスマキがアメリカやハリウッドを皮肉った『ここが変だよアメリカ人』。
傑作じゃないけど、気楽に楽しめる作品です。

最後に、プール掃除と神が関係してるなんてね。笑
アーメン。