もりりた

ネバーエンディング・ストーリーのもりりたのレビュー・感想・評価

3.5
バスチアンはいじめっ子から逃げ隠れた
書店である本と出会う
書店の主人が危険だと語るその本を
こっそり持ち出して読み始めるバスチアン
勇者アトレーユがファンタージェンという
世界を虚無から救う空想のストーリー
しかしバスチアンが夢中で読み進めるうち
自分の声が本の世界に届いている事に気付く


真面目な作り
35年前の作品 映像技術の古さは感じるが
各エリアのセットはしっかり作られていて
臨場感がある 挿入される音楽も良い

空飛ぶファルコンや巨大亀モーラなど
ユニークなキャラクターがたくさん
次にどんな出会いがあるか?
アトレーユと一緒に歩む過程が楽しい

ファンタージェンの危機の正体
バスチアンと空想世界の繋がりなど
設定が曖昧かつ無理くりな点はあるが

結果として話の流れはスムーズで
テンポ良くファンタジーを楽しめる


冒頭のロックバイターやホビット達
その後象牙の塔には更に個性的な人々が!
異世界の雰囲気がしっかり出てる

派手なCGなくセットで組まれた各シーン
憂いの沼のドロドロ感や
目が開くか緊張感ある第一の門
丁寧な舞台作りで十分引き込まれる

定番のテーマ曲は言うまでもなく
目の当たりにした象牙の塔の神々しさや
恐怖や不気味さを惹き立たせる音楽が
各場面のインパクトを強調している


グモルクに襲われるアトレーユを
間一髪で助けるファルコン
グモルクとの直接対決シーンなど
唐突に変わるカット割りは気になるが

当時の技術で瞬間的な場面を作ろうとする
工夫を感じて好感が持てる

空飛ぶシーンも合成感は否めないが
ファルコンでファンタージェンを飛び回る
バスチアンの表情が良く興奮が伝わってくる

象牙の塔に向かって飛ぶ巨大コウモリ
眠そうな顔のカメラ目線は笑えた


世界を救うべく冒険に出たアトレーユ
その大筋は明確だが相手は「虚無」
子供の時に繰り返し見たのに
何と闘ったか記憶にない理由がわかった笑

女王を救うには新しい名前をつけるという
背景もピンとこない
外に向けて叫ぶバスチアンだが
吹替だと雷鳴で何言ったかわからず…

重要な設定が謎すぎる感じ
もう一声言及あると現実との繋がりによって
起こる奇跡について理解が深まった気がした


昔の映画とはいえ音楽の良さやキャラの個性
ストーリーの面白さは色褪せない
子供の時繰り返し見た理由を再認識できた
もりりた

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