真っ黒こげ太郎

ソルジャーの真っ黒こげ太郎のネタバレレビュー・内容・結末

ソルジャー(1998年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

宇宙に捨てられた、感情を持たぬ人間兵器――――。

それは、最後の戦い――――。

感情を忘れた男のたった一人の戦いが始まった――――。




近未来。
0歳から選別され、最強の人間兵器として育てられる戦闘集団”ソルジャー”。
彼らは感情は無く、ただひたすらに命令に従い、ただひたすらに任務を遂行する。

その中で、遺伝子結合の時点から戦闘プログラムを叩き込まれた次世代のソルジャーが生み出される。
新ソルジャーのデモンストレーションに選ばれた、最強の旧ソルジャーのトッド軍曹。
彼は新ソルジャーのケインに完膚なきまでに叩きのめされ、目を開けたまま気絶してしまう。

死んだと思われ、廃棄物処理惑星に捨てられてしまうトッド。
だがそこには、新天地を求めて旅立つも、宇宙船の故障で惑星に住み着いていた人々のコミュニティがあった。
あてもなく彷徨っていた所をコミュニティの人々に助けられたトッドは、コミュニティ内で賛否両論が巻き起こりながらも人々とのふれあいの中で人間性に目覚めてゆく。
しかし、”感情”という物を全く知らなかったトッドは感情を顔に出せないまま戸惑うのだった。

そんな中、新ソルジャーの部隊に廃棄処分惑星へパトロールへ向かう命令が下される。
しかも、もし生命が現存していたら、面倒ごとを避けるために全て射殺せよという命令も下されていた!!!

コミュニティの人々を救うため、トッドは自らの意思で新ソルジャー軍団に戦いを挑むのだった。




感情を持たず育てられた戦闘マシーンの男が、人々とのふれあいで感情に目覚め、彼らを守る為の戦いに挑む、近未来SFアクション。
主演は「バック・ドラフト」「エスケープ・フロム・LA」「遊星からの物体X」等で知られるカート・ラッセルさん。
そして監督は後に「バイオハザード」「デス・レース」「モンスターハンター」等のアクション映画を手掛ける、ポール・W・S・アンダーソンさん。
フィルマを始める前に見た作品だが、最近になってアンダーソンさんの思い入れが強くなったのでこの機会に見直し鑑賞。


以前見た時はイマイチな印象しかなかった本作。…だったが今見直してみると案外悪くないじゃん。
ってか、めっちゃ面白いやん。「SF版”ランボー”meets”コマンドー”」って感じでおもろかったよ!!!


お話は所謂「戦闘マシーンが良心に目覚める」系のお話。
「ロボコップ」とか「ユニバーサル・ソルジャー」とかで沢山描かれてきたお話でとっつき易いですね。w

前半部は初めて人々とのふれあいを得て人間性に目覚めていく主人公の姿がメイン。
しかし、主人公は生まれた時から戦闘兵器として育てられたので、感情を顔に出せない。
「こういう驚きや戸惑いを隠せないが、口数が少なく表情に出せない」という役を、主演のカート・ラッセルさんは見事に演じてます。
(個人的には後半に差し掛かる頃の涙を流すシーンが凄く良い。)
コミュニティの人々も、戦闘兵器な主人公を怖がってるだけで、根はみんないい人なのが伝わってきて好感触でした。
前半はアクションのないドラマメインなパートが主軸ですが、登場人物は皆キャラが立ってるし、交流のドラマもしっかり描かれており、見ごたえがありました。

そして後半部は、意志に目覚めた主人公が襲ってきた新ソルジャー軍団を迎え撃つ展開に。
ロケランやチェーンガンをぶっ放し、ゲリラ戦術で敵を仕留めてゆく!!!
ここら辺はもう完全にSF版「ランボー」なコマンドアクション映画ノリで楽しい。
前半部の丁寧なドラマもあって、人々を守るヒーローとして立ち上がった主人公の活躍はアガります。
ラストはお約束なタイマンバトル。相手は序章で敗北した新ソルジャー!!!
ですが皆を守る為に負けられないリベンジマッチ!!正に白熱の一戦で盛り上がります。
最後にお偉方に一発ブッかますラストも爽快でした。


美術などは何処かB級映画感が漂っているし、アクション演出も目新しい所はないが、銃撃戦に火薬の大爆発に肉弾戦、ロケラン発射にゲリラ戦術に装甲車爆発と、マッチョ系アクション物として押さえるべき所はしっかり押さえている。
意図したか狙ったかは不明だが(たぶん後者)、あちこちに「ランボー」や「コマンドー」を彷彿させるシーンが用意されているのも嬉しい。
特に敵を迎え撃つために装備を整える場面やラストの子供を抱え方なんかはまんま「コマンドー」だ。
(顔に迷彩ペイント塗るシーンやナイフをしまうシーンも殆どそのまんま。w)
カート・ラッセルさんのマッチョな佇まいも良い。…そう言えばこの人もスタローンさんやセガール先生といったアクション俳優と共演してましたな。w


不満点としては、ラストのタイマンはマッチョ同士のぶつかり合いという事で大迫力なんですが、何故かスローモーションを多用する所為でややモッサリ感が拭えないことですね。
ここら辺の格闘戦のイマイチさやアクションシーンの目新しさのなさが以前見た時にイマイチに感じた要因でしょうか。
ただ、今回見直したらちゃんとどのアクションも見ごたえは十分にあったんですけどね。



セットや美術がB級臭い感じは拭えないし、内容やアクションとかに既視感はある、アクション演出もそこまで目新しくはないんですが、戦闘マシーンが良心に目覚める展開やワンマンアーミーなバトルアクション等、好きな要素が多かったので、個人的には大好物でした。

以前見た時は余り良い印象を持てなかった作品ですが、再見して好きな作品になりました。
(俺2度目の鑑賞で好きになるパターン多いな。w)