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レネットとミラベル/四つの冒険のkuuのレビュー・感想・評価

3.7
『レネットとミラベル/四つの冒険』原題Quatre aventures de Reinette et Mirabelle.
製作年1986年。上映時間99分。

エリック・ロメール監督が、対照的な2人の少女レネットとミラベルが体験する不思議な出来事を、4つのエピソードでつづったフレンチ短編オムニバス。

自転車のパンクをきっかけに知り合った2人が、夜明け前に訪れる無音の瞬間を体験するべく奮闘する、
第1話『青い時間』1)L'heures bleue; 。

パリで同居生活をはじめた2人と奇妙なカフェ店員とのやり取りを描いた、
第2話『カフェのボーイ』2)Le garcondecafe; 

犯罪や良心について対話を繰り広げる、
第3話『物乞い 窃盗常習犯 女詐欺師』3)Le mendiant、la kleptomane et l'arnaqueuse; 、

家賃を稼ぐためレネットが描いた絵を売ろうと奔走する、
第4話『絵の売買』 4)La ventedutableau;
で構成。
ロメール監督はレネット役のジョエル・ミケルの体験談に着想を得て本作を企画し、少人数のスタッフと16ミリフィルムで撮影を敢行した。

エリック・ローメルの映画駆け出しの半端モンですが、彼がが大好きです。
作品もさることながら、老齢期のかれの容姿には威厳すら感じる。
今作品のように、重要なエピソードがあり、優雅でユーモラス、時には詩的で、ちょっとした謎や意外性、冒険もある。
普通の日常生活を描いている映画が中心でした。
登場人物たちが、一見単純な物事や行動について考え、哲学する姿を見せ、その思考はしばしば現実の出来事と対比される。
また、台詞を通して、心の中にある価値観の宇宙と、外の現実世界との対比を見ることができました。
今作品では、二人の少女が田舎で自転車に乗っているときにパンクしてしまい、もう一人の少女がその問題を解決するために手助けをしてくれるという偶然の出会いがある。
気質も性格も行動も全く違う二人やけど、それ以来、ガチの仲良しに。
田舎に住んでいた彼女はパリに行き、パリに住んでいた彼女は新しい友人とアパートをシェアすることに。
二人とも大学生で、パリは民俗学、田舎は美術を専攻。
最初の出会いの冒険の後、二人はパリでさらに3つの日常生活を送るが、それは冒険的やけど、自然や日常を大きく超えることはなく、非常にシンプルやけど、非常に熟練して示されてた。
ただ、4つ目の最後のエピソードは、少し空想的すぎると思うが、それにもかかわらず、この映画は全体として良い出来でした。
理想的なクロワッサンのように、旨いクロワッサンは軽くて重なりあう歯応え。
エリック・ロメールのファンは、これ以上何も期待しないやろし、この4部作の小噺には、ほとんど共通点のない若い2人の仲間に4倍もの楽しみを見出す。
レイネットは天真爛漫で少し神経質な自然。
ミラベルは控えめで洗練された都会っ子。
彼らの冒険は、あまりにも人間らしい特異性をほのかに揶揄する程度にしか過ぎない。
4つのストーリーはそれぞれ程度の差こそあれ、巧妙かつ魅力的でした。
しかし、各ストーリーには何の連続性もなく、真の動機も解決策もないため(それが魅力のひとつであることは間違いない)、結果として、気まぐれだが取るに足りない映画となり、楽しむには十分やけど、20分後に詳細を思い出すのは少々困難かな。
まぁエリック・ロメールの皺の4本は少なくとも垣間見れ楽しい一時でした。
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