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私たちの結婚
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『私たちの結婚』に投稿された感想・評価

3.7
高度成長期を迎える前の貧しく慎ましやかな日本人の暮らしを見つめた篠田正浩監督の隠れた秀作。松山善三の脚本は叙情性豊かに庶民の愛と金の価値観の変化を敏感に察知していて60分作品とは思えない程濃密だった。貧乏だが愛がある男と裕福で愛もある男の愛の告白、どちらも好男子善人。揺れる姉・牧紀子にヤキモキする妹・倍賞千恵子の初々しさよ!
菩薩
3.8
これがもうちっと前の時代ならお金より愛!愛は何にも勝る!!!とただただ理想のみに突っ走る事にでもなりそうなものだが、世は高度経済成長期の入口?ともあって、徐々に貧乏はただそれだけで憎むべきものであり、我々は豊かな生活の中でこそ新たに愛を育み生きていくべきだなんて価値観に変容を始めた時期なのではないかとそんな事を思うし、そう言う社会的価値観の変化に敏感であったのがこの辺りの松竹ヌーベルヴァーグ勢だったのではないかなんてのも勝手に考えてみるところである。せっかく子供をこさえても金が無きゃ育てる事も出来ぬと不本意ながら中絶を選択する同僚があまりにもグロい、親に決められる女としての幸福では無く自ら手で選び取る女の幸福、薄給が故にフラれる純朴青年があまりに不憫ではあるが、そこは我らがさくらがなんともなくケアしてくれそうな予感がする、なんたってあの貧乏印刷工諏訪博の嫁となる女なのだから…。廃れゆく一次産業、果たして資本主義は人類を幸福にするのか…?この国にもかつては真面目に働けば当たり前に幸福になれた時代があったと聞く…。
Kamiyo
3.7
1962年 ”私たちの結婚” 監督篠田正浩  脚本松山善三 篠田正浩

1時間7分に凝縮された「私たちの結婚」。
篠田正浩監督が「貧乏と結婚」をテーマに描いている。
メインテーマ曲は「漕げよマイケル」のハミング版。劇中にも同曲のメロディが何度も使用される。羽田ではまだ海苔養殖が行われている。主人公達が務めるのはいすゞ自動車の川崎工場。臨港バスで通勤する(大田区側に乗り入れていたようだ)。工場脇を走っていたのは京急線だろうか。
羽田空港の拡張や急速な都市化の影響で漁獲高が激減して困窮している。
海苔漁師:父(東野英治郎)母(沢村貞子)の娘:姉圭子(牧紀子)&妹冴子(倍賞千恵子)の恋と夢と現実を,郊外に跳び出したカメラで生き生きに捉えた作品で,貧困と、恋愛と、結婚を見つめながら、貧乏と闘いながらも幸せを掴もうと奮闘する姉妹の物語。
高度成長期を迎えて巨大化していく東京に住む人々の哀歓を若々しい感覚で綴った映画であります。

ストーリーは
圭子(牧紀子)は、工場の会計課で働く事務員です。
圭子はとても美人な為、会社の職工、父親の働く海苔業組合の組合長の息子やアパレル業者など、色々な所から結婚話が舞い込みます。
まず妹冴子(倍賞千恵子)を通して知り合った職工・駒倉(三上真一郎)と付き合っていた圭子は、ちょっと羽振りの良いアパレル業者・松本(木村功)と出会った事で気持ちがグラ付き始めます。
駒倉とは淡い恋心が芽生えはじめていたものの、現実的に彼との結婚は先が見えています。
圭子は周りの人を見ていると、自分の価値観がよく分からなくります。
女友達に、気持ちを大切にして貧乏な男と結婚した友達は、女は結婚して子供を生む事が幸せだと思っているにもかかわらず、夫に言われて子供を堕ろさざるを得なくなります。
一方でアメリカ人を引っ掛けて裕福に暮らす女友達は、魂が無いように見えてしまいます。
そんな揺れに揺れる圭子の前に、羽振りの良いアパレル業者・松本(木村功)が現れ、まるで安定した生活をチラつかせるかのごとく圭子に結婚を迫るのです。圭子はある日、松本から具体的なアプローチを受けます。
松本は母親が病気であまり猶予が無いため、故郷へ一緒に行って欲しいと願い出ます。それを聞いた圭子は決心を固め、松本と行く事にしました。
圭子は自分の決心を駒倉に告げ、別れを切り出します。
駒倉は「圭子が後悔する事を望む」などと捨て台詞を吐くのでした。
それを聞いた冴子は怒り心頭になって駒倉の元を訪れ、
彼を攻め立てます。
どうやら冴子は、自分自身が駒倉の事を好きだったという事に気づくのでした。

姉役の牧紀子、庶民生活の中に生きるクールビューティという感じで素敵です。妹役の倍賞千恵子は、可愛くて一途な娘を好演しています
脇役だと思っていた倍賞千恵子が、姉圭子に振られた駒倉「駒ちゃんの意気地なし」って言うところ、素直に感動しました。
その後のおでん屋の女将(清川虹子) がイイんですよね。「私たちの結婚」という題名どおりに、妹も対等の主役なんですね。
姉牧紀子がなぜ最後に松本(木村功)を選んだのか、明快には語られていませんが、複合的な打算の結果でしょう。そもそもこの姉は何を考えているか解らないところがあります。逆に姉は駒倉(三上真一郎)を真剣に愛していたのだろうかは、かなり微妙だと思いました。駒倉とは考え方が違い、そもそもこの性格では、釣り合いません。妹倍賞千恵子の方とは似合っているようですが、これから先いろいろあるでしょうという終わり方です。

両親の二人の熱演が、決して裕福でない家族をよく表現していて印象深いと思いました。この演技があって、映画が締まっていると思いました。

『私たちの結婚』に似ている作品

若い東京の屋根の下

製作国・地域:

上映時間:

91分

配給:

3.5

あらすじ

定年を控えた父と専業主婦の母、高校生の弟と暮らす19歳の蕗子。彼女が今後の生活を案ずる中、2番目の兄の後輩である三上が蕗子の家に下宿することになる。三上が路上で偶然出会って喧嘩した相手だと…

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姉妹

製作国・地域:

上映時間:

95分

ジャンル:

3.9

あらすじ

毎日出版文化賞受賞の畔柳二美の小説を映画化。新藤兼人が脚本。親元を離れて伯母の家で暮らすことになった性格が正反対の姉妹。二人の人生を描く心温まるドラマ。