故郷の作品情報・感想・評価

「故郷」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

○もう四半世紀近く前の作品。この頃から遠に始まっていたであろう田舎から都会への移動。現代でも東京一極集中が止まらない。

○瀬戸内海の自然をこれでもかと映し、島を去る寂しさを増幅させる。
主人公の一家が、何一つ前向きになることなく、時代に流されていく過程を見るようで、あまり楽しめなかった。子供が祖父にしがみつくシーンは、胸を打った。
マチカ

マチカの感想・評価

3.0
わたしが生まれてない頃の日本の時代の風景と、大物役者の若い頃見たさに…
あれ?万博見て北海道まで行く話じゃなかった?それはまた別の映画だ…
石船が石を落とす映像にびっくり。
あんな仕事があったんだ。

「時代の流れ、大きなものとは何のことかいの。なんで俺はお前とここでこの仕事を続けられんのかいの。」

高度成長期、恐らく同じような話は同じような島で数え切れないほどあったに違いないし、最後の笠智衆と孫の様な別れもたくさんあったのだろう。

人の生活や伝統が壊れてしまうような発展は「時代の流れ」が起こしてるということは絶対にない。
一部の持ちすぎた者の「もっと持ちたい」という欲望、「あぁしてこうして金を増やす」という浅ましい競争の元に起こされているという考えが僕は強いので、恩恵は受けているがこの高度成長期という言葉だけでも腹が立ってきてしまうし、もうこの映画の中に垣間見るような、在りし日の生活には成れないのだと思うととても悲しい。
瀬戸内海の小島に住む一家。
専用船で砂利運搬の仕事をして細々と生計を立てている。
苦しいながらも懸命に暮らしていた彼らにも時代の波が押し寄せ、船の故障を契機に仕事を捨て島を出ることを決断する話。

「時代には勝てん。大きなもんには勝てんというけど大きなもんって何かいのぉ?」
島に残る生活を切望しながらも苦渋の決断をする一家の主人(井川比佐志)。

寅さん、さくら、ひろし、御前様が役柄を換えて総出演。
嗚呼、コメディではない"男はつらいよ"、"家族はつらいよ"。

一家が船に乗って島を出るシーンで島民と一家を繋ぐ風に揺れるカラフルな紙テープが、まるで虹が架かるように見えてしまう。
一家の未来に幸あれと願ってしまうラストでした。
たたみ

たたみの感想・評価

3.7
昭和30〜40年頃のノスタルジーに浸れる作品。

松下さん役の渥美清さんが、いい味出してます。昔はああいう献身的な人が、いたんでしょうね。なんでこんないいところを皆んな出ていかなければいけないんだろう?松下さんの言葉がこの作品の趣旨なのかなぁ。
悲しいなあ、悲しい。ものが豊かになる代償に、私たちはどれだけのものを失ってしまったんだろう。暮らしは楽になったはずなのにどこか満たされない私たちは、なにを置いてきてしまったんだろう。
おじいちゃんとお孫さんが坂の上から故郷を見下ろす場面、夫婦最後の仕事の場面、松下さんと旦那さんとの場面、おじいちゃんから離れようとしないお孫さん、たくさんの優しさに溢れた映画。出会えて良かった。
時代の変化には逆らえない。家族それぞれの感情が風景と共に胸に迫る。
1972年の山田洋次監督作品。倍賞千恵子、渥美清、前田吟など寅さん映画の面々が出演している。
自分が生まれた歳の映画。高度経済成長を迎え、都会に労働者が集まっていき、地方が寂れていった時代。故郷で働き暮らし続けたかったが、時代の流れに抗えない夫婦とその家族の物語。親が若かった頃の時代を思い浮かべながら観た。
あれから45年経ち、故郷はさらに人が減り、今や限界集落になっている。山田洋次監督が今また故郷をテーマに映画を撮ったらどんな映画になるのだろうか。
bakuro

bakuroの感想・評価

2.5
「家族」に比べると、人が死んだりとかそういう劇的な要素がなくなって、よりドキュメンタリーっぽさが強くなっている。あの時代の日本の風景が楽しめるのは良い。石船が石を海に落とす映像が特に見応えがある。