観た人が前向きになれる爽やかな映画。
こういう作品にこそ映画としての意義を最も感じる。
登くんが「この広い空のどこかには自分を愛してくれる人がいるかもしれない」という思想を語るシーン、ひろ子さんが…
このレビューはネタバレを含みます
冒頭のシーンを見て、嫁の久我美子を姑(浦部粂子)と小姑(デコちゃん)が虐める橋田壽賀子ドラマの様な話かと思いきや、夫の佐田啓二がとても良くできた人で、心温まるホームドラマだった。
物干し台に上がっ…
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小林正樹監督の初期の家族モノ。戦後の傷跡が癒えぬ日本の家族を、川崎の工場街を舞台に描いています。
原作は木下恵介の妹・楠田芳子。脚本は松山善三(本編表記は変名)。
見所はアンサンブル仕立てのモダン…
細やかなエピソードの積み重ねで人の優しさを描きながら容赦ない現実もしっかり見せてくれる。
当時の川崎のハンパない工場や機関車の煙突の煙、その煙を肯定的に捉えて「胸の中で情熱を燃やせ」と「ちんば」にな…
酒屋を営む主人公家族の微妙な距離感と関係性を詳細に描きつつ、彼ら一人一人の類型的ではない人間性を浮き彫りにして単純ではない家族というコミュニティの世界で生きることの難しさを実感させる脚本の素晴らしさ…
>>続きを読む1954年の日本映画の豊かさ。テーマ主義に陥ることなくテーマを多層的に描く脚本と、その役柄を掘り下げる俳優たちの巧みさ。
「ホームドラマ」という形式をドライに演出するという作劇のクールさに驚く。
…
善良な人達ばかりで心が洗われるようだ🥲
このロマンチックなタイトルを回収するのが野郎二人というのもまた良い。
物干し台から地上に向けて幸せのボール投げをする佐田啓二&久我美子夫婦があまりに尊くて…
家族の一員としての自分の在り方に悩むのは、きっと嫁いだ先に限った話ではないはず。
そういう意味で、どこまでも普遍的で誰しもに心当たりのあるような日常を丹念に描いた作品だと感じた。
働き者の長男は、鈍…
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