このレビューはネタバレを含みます
敗残兵の軍曹ザックが韓国人孤児に助けられて霧に迷った小隊とともに空き寺を観測拠点としてるうちに赤軍と戦うことになるお話。何でこんな邦題に…。
少年と兵士の西部劇的展開と思いきや、ショートはあっさり殺されてしまう。死に慣れきったザックの熟練兵ぶりが冒頭から描かれるとともに、サクサクと人が死んでいく。どこかコミカルな映し方が戦場の虚しさを演出しているようです。
圧巻はラストの戦闘シーン。どう見てもセットなのにこの迫力とリアリティは何だろう。音響の効果もかなり大きい。特にピューという砲弾の音。寝息のフリがこんな形で効くとは。生き残った面子にも、強い思想性を感じました。
ショートの笑顔がかなり印象的。そしてタナカの飄々とした感じがめちゃカッコいい。仏像の造形はどう捉えていいのやら分かりませんが、しかしその撮り方扱い方が素晴らしい。
つくりは安いのに、空気感の醸成が素晴らしく重厚さと磊落さが同居していて、監督の技量を強く感じる作品でした。