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皆殺しの天使のmfgのネタバレレビュー・内容・結末

皆殺しの天使(1962年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

「皆殺しの天使」

“プロビデンシア通り”

パーティーの異常性

・なぜかは分からないけど パーティー後に皆が皆帰らず…
→紳士淑女にあるまじき雑魚寝状態に…

翌朝
・重い病人もあり…
・異常性を感じつつも 皆まだ余裕あり
・牛乳屋はなぜか来ず…
・探偵ドクターの分析:“昨日から見ていると昨夜から誰1人として部屋から出られない”(※何が起きているかは不明)
・部屋を出ようとしたものには異常が…

24時間経っても誰も来ず 外に何も反応がなく(試みた形跡もなく)…
・段々と不安 焦燥 イライラ 怒り etc…
→正気を失う者 興奮状態に陥る者 猜疑心に苛まれる者 他者を責める者 etc…

閉じ込められた極限状況下でのそれぞれ
・それでもラブラブ熱々カップル
・それでもおバカに囀る女性4人組
・重い病人はご臨終
(“他に死ぬべき人はいるのに…”/“指揮者は1人くらい減ってもいい”)

外部状況
・妨げはないのに邸内に誰も入らない
(完全武装の工兵隊を配するも 誰も入らないまま兵舎へ帰還(※入ろうともしないからこそ厄介))
・中で何が起きているかを見ようと詰めかける群衆だが…やっぱり門から入ることはできず…

内部状況
壁を破壊して水を得る
切羽詰まってきてるけどまだ理性を保ってる…?
(土足の行儀の悪さを嗜めたり…女性優先 自制心 病人への配慮 節度 etc…を主張したり…)

渇き…空腹…病人…正気を失う者…
(熱病者/横たわりうなされる者/口も聞かず目は閉じたままの高齢者/枯れた枝みたいな手になってしまったり…/紙を食べる者、紙食を勧められる者/それでも鏡に向かって髪をとかす者、その髪のとかし方に嫌悪感を爆発させる者(シスコンブラコン姉弟)/猜疑心に苛まれ 八つ当たり的に怒りを発散させる者、それを挑発する者/もはや死を望む者(“水なんか出てこなければ 終末を先延ばしにするだけ”とか“なぜ殺してくれないの”とか…)/茫然自失で髪を抜き出す者/誰かの常備薬を発見するもポイしちゃう者/異常に寒さを訴える者/“1人にしないで”と異常に孤独を恐れる者/“ここから出て病気が治ったら”というフラグを立てる者/神経過敏になり 他者を侮辱し 皆を大嫌いになる者(シスコン弟)/)

正気を保ち冷静に対応しようとするものが批判される異常事態
(態度を嗜め 皆が同じ状況下にあることを訴え 礼儀を弁えるように指摘するも、理不尽に無碍にされ…)

ドクターの存在は不幸中の幸い…?

隠しドラッグは不幸中の幸い…?それとも新たな波乱を生むもの…?

“これは悲惨な結末を迎える”という絶望的観測
“不作法 暴力 下劣”
“他人とのいざこざより死んだ方がマシだ”



・謎の呪文
・アダムスファミリー…?ハンド…?
→ナイフでグサリ(午前3時)
・それでもなおラブラブ熱々カップル
・理性を失って肉欲に走る者(夜這いしちゃう大佐)、それに対し決闘を申し込む夫、胃を悪くしてもなお めげずに仲裁を試みる者
・→“自分でも分からない 度を失って”と謝罪
・不幸な衝突をもう繰り返さないよう 男女が離れて寝ることを善意から提案するも、あくまでも毛高き紳士たちは“構うな 堕落者なのだ 侮辱する気だ”と却下
・邸内を駆け回る羊…と熊…?



外部からの試み
→無駄に終わり…
(“マスコミと公権に訴えますよ”とか…“私には解決する自信があります”とか…も虚しく…)

内部状況
狂気…絶望…幻想…
…色々と自力でなんとか現状を打破しようとする画策するのも大事かもだけど…大いなる神のご意志にはやはり逆らえないもの
・悲惨への堕落を避けるために部屋に清潔と秩序を保とうと清掃班の編成を画策したり…
・紳士淑女の皮を被った野蛮な連中のストッパー的役割を果たす者もいるが…
・“鍵を持って”の虫の知らせ
(カバラでは未知のものの扉を開ける魔法の道具を鍵と呼ぶ)

オカルティックに…
呪文/生け贄/羊に目隠し/占い(→“読めないわ 無垢な血が必要よ 最後の一頭を待たないと”)/etc…

・クローゼットから…
・“(邸内を這い回る熊を見て狂気の笑みを浮かべ…)考えたんですよ 今背中を押したらどんな顔するかとね”→“やったら殺してやる”
・“ネッカー アドナーイ!”(=フリーメーソンの助けの叫び…聞いた団員助けには駆けつけねばならない)という“少ない脳を振り絞った”叫び
・“発してはならない言葉(H I H H O H)”を発する時が来たとか…
・無秩序な殴り合い…それを見て笑い泣き…絶望的表情の邸内の者たち…それぞれの回想…



外部
・“(屋敷は)墓場のようだ”/黄色い旗(=“疫病みたく隔離したんだ” “チフスの方がマシ”)/進展の有無の確認に来る野次馬なご婦人方/時々 外に腐臭が漂うとか…/熊とコックと女中

内部状況
さらなる狂気…どんどん人間の尊厳を失い動物的弱肉強食的な地獄的な世界に…

解法の発見(=パーティー当夜の再現)
→無事脱出



葬儀
→デジャブ…?混乱…駆け回る羊たち…無情に鳴り響く鐘の音…

皮肉で無情なラスト…




人間の愚かさに対する神罰…?
そしてその神の怒りに愚かにも気付かず同じ過ちを繰り返し犯してしまったり 反省の心がなかったり 信仰心がなかったり 人間心でなんとか対処しようとしたり etc…の愚かさの暗示…?
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