⚪概要とあらすじ
無実の罪で13年間の刑務所生活を強いられたアンリ・シャリエールの実話に基づく小説を、スティーブ・マックィーン、ダスティン・ホフマンの2大スターで映画化。
胸に蝶の刺青があることからパピヨンと呼ばれる男。身に覚えのない殺人罪で終身刑を言い渡された彼は、自由を求めて脱獄を繰り返した末、親友のドガと共に脱獄不可能とされる孤島に送られる...。
⚪感想
「くたばるもんか」
映画好きの父から面白いぞと言われた1本。
昔の映画だけれど、それがまた良い。演出や脚本、映像、キャスト、セリフのどこを切り取っても素晴らしい名作。良い映画は時が経っても色褪せないんだなと。
パピヨンを演じるスティーブ・マックイーンの演技に圧倒されて言葉が出ない。汚れていて傷だらけだけど蝶のタトゥーや後ろ姿、言葉や振る舞いなど全てを含めてとてつもなくかっこいい。
ドガ役のダスティン・ホフマンも良く、牛乳瓶の底のようなメガネもいい味をだしている。身を守ってもらったことで信頼していくのがまた。
パピヨンの生きることへの執着とドガとの友情の描き方。くさいセリフはなくただありのまま。独房でのゴキブリやムカデ、肉の入ったスープ、ハンセン病の人と葉巻、ラストのセリフ。死ぬほど泣いた。
他の囚人の関わりもぐっとくる。
監獄、労働、独房の描写がとにかく生々しい。食事や労働に加えて環境がとにかく酷く、病気になるのは当たり前のような状態。実際もそうだったと思うと胸が苦しくなる。
「パピヨン」はフランス語で「蝶」だということを知らなかった。フランス語学んでたのに...。
無音、音楽、と光の使い方が好き。冒頭の無音で民衆が見つめているところにザッザッと囚人達が歩いてくるシーンで一気に引き込まれた。151分の長さも感じられない。
『荒野の七人』や『大脱走』などその当時の良さが残ってる名作。どちらもスティーブ・マックイーンが出演しているなーなんて。
ドガを見送りに来た女性が実在のパピヨンであったアンリ・シャリエールの実の妻だったことに驚き。また、ハンセン病の元締めの人は、囚人でハンセン病にかかっており、実際にシャリエール達3人の脱獄の手助けを行っていたり、マチュレットやクルジオ、ドガは本当に居ることにも驚き。実際は違うところもあるみたいだけれど。
事実は小説より奇なり。
⚪鑑賞
GYAO!で鑑賞(字幕)。
⚪パンフレット所持