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黄金の腕のHKのレビュー・感想・評価

黄金の腕(1955年製作の映画)
3.5
オットー・プレミンジャー(『ローラ殺人事件』『帰らざる河』)監督作品。
麻薬中毒者を演じたフランク・シナトラが話題になったサスペンス・タッチの人間ドラマ。
アカデミーでは主演男優・美術・作曲の3部門でノミネート。
今でこそ珍しくない麻薬がテーマの先駆けとなった作品だそうです。

モノクロながら、オープニングのソール・バスによるタイトル・グラフィックとエルマー・バーンスタインのテーマ音楽がまずカッコイイ。
プレミンジャー監督がソール・バスと組んだタイトルは『悲しみよこんにちは』『或る殺人』『栄光への脱出』『バニーレイクは行方不明』など、同一監督では最多の11本とか。

音楽のバーンスタインも本作あたりから名を上げ、この後は『十戒』『荒野の七人』『大脱走』など代表作が続々。
有名な本作のテーマ曲はむか~しタバコのヤニとり歯磨き「ザクトライオン」のTV-CMでも使われてました。このCMを覚えてる人は昭和生まれで還暦前後かそれ以上。

カード賭博で“黄金の腕”を持つといわれる名ディーラーを演じてオスカー候補となったシナトラは『地上より永遠に』でアカデミー助演男優賞を獲った2年後の作品。
共演のエレノア・パーカー(『探偵物語』『サウンド・オブ・ミュージック』)は『黒い絨毯』の翌年の作品。
キム・ノヴァクは『ピクニック』と同年の作品で『めまい』の3年前。
出演は他にTV『事件記者コルチャック』のダーレン・マクギャビンなど。

ところで、本作の原題は“The Man with the Golden Arm”(黄金の腕を持つ男)。
ちなみに最後の“Arm”を“Gun”に変えると『007/黄金銃を持つ男』の原題になります。
あちらのオープニング・タイトルはソール・バスと双璧のモーリス・ビンダーが担当。
音楽はジョン・バリーによるバリバリの007サウンドでした。
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