マヒロ

ダンボのマヒロのレビュー・感想・評価

ダンボ(1941年製作の映画)
4.5
先日『ズートピア』を観て、可愛いビジュアルの中に込められためちゃくちゃストレートなメッセージに驚いたんだけど、遥か70年前に作成された今作でも同じような構造になっていて、ディズニーブレてないなぁ、と驚き。

主人公の名前の赤ちゃん象ダンボは耳が大きいというだけで周りから嘲笑され、それがきっかけで母とも引き離されてしまうが、その"短所"をバネにすることで皆から認められる…という、ある意味童話的な教訓めいたお話。
教訓と言っても押し付けがましいものではなく、話の流れに自然と練りこまれている程度のものだし、何よりダンボが愛らしすぎてそんなことは全く気にならないのだ。

意外なのがダンボが生まれたてなので一切喋らないという点で、動きと表情のみで感情を表現する自信の表れなのかなぁと思う。相棒のティモシーも、小狡いキャラクターにされがちなネズミとは思えないアツい漢で、さすがネズミが牛耳る会社が作っただけあるなと。

…ただ、やっぱりインパクトが強すぎるのがダンボとティモシーが酩酊して見る幻覚シーン(通称ピンクエレファント)で、65分くらいしかないランタイムの約5分間たっぷりと使って、サイケデリックでアバンギャルドなトリップの様子を描いていて、今までのストーリーがぶっ飛ぶくらいの衝撃を受けてしまった。ディズニーだから子供向けだろ、と思わずにこのシーン目的だけにでも観てほしい。

(2016.86)
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