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小さな中国のお針子のfieldのレビュー・感想・評価

小さな中国のお針子(2002年製作の映画)
3.5
ダイ・シージエ監督の自伝的小説「バルザックと小さな中国のお針子」の映画化。

文化大革命の時代、反革命分子と見做され再教育の名目で送り出されたブルジョワの子ルオとマー二人の青年とそこに住む小さなお針子。
字も読めず文化も未発達の田舎での労働や独特の風習、歴史背景は詳しくないが洋書も禁書とされてた時代への反抗として青年が描かれてその中に三人のロマンスがある。
「一冊の本が人生を変えてしまうこともある」が変える力のある本が読めないのはバルザックを知る彼らには退屈だったろう、そして針子の決断も当然の成り行きだったように思う。

若きチェン・クンの綺麗な顔立ちもスッと画面に馴染む落ち着いた演技と撮影地・湖南省の張家界という村の綺麗な風景と監督の視点。
歴史背景も興味深かったし文学の匂いのする作品が好きな人はとても好きだろう。
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