小さな中国のお針子の作品情報・感想・評価

小さな中国のお針子2002年製作の映画)

BALZAC ET LA PETITE TAILLEUSE CHINOISE

製作国:

上映時間:110分

ジャンル:

3.6

「小さな中国のお針子」に投稿された感想・評価

と

との感想・評価

4.0
中国文化大革命期の若者たちの様子が爽やかに、面白く、描かれていてよかった!
本とか学ぶことを制限されてるからこそ、影響されて大人になっていくんだね。
再教育の印象がいい意味で変わった。
本当は意外と村の人たちともうまくやっていたんだね。
andrew

andrewの感想・評価

3.5
高山そびえる霧深い農村で
可愛いお針子の娘を
“無知”から救いたい文学少年。
鞭打ちされる少年の
見開かれた目の語る
誓いのような強さが凄い。
tak

takの感想・評価

3.8
 文化大革命による「再教育」で、山間部の農村で働くことになった二人の若者。西洋文化に触れることができた知識層は、思想につながる書物を没収され、農村での労働こそが社会主義国家に貢献できることだ、と慣れない農作業に従事させられた。持っていた料理の本までブルジョアの食べ物が載っているとして没収される。この頃の中国の激しさは知ってはいたが、まるで秦の「焚書坑儒」やブラッドベリの「華氏451」を思わせる思想統制。西洋の本は読むことを禁じられている。体制に反する思想や文化を禁じる風潮。

 そんな二人の前に仕立屋の孫である美しいお針子が現れる。山間部に住む民族の娘で、やはり文字を知らない。彼らはふとしたことで手に入れた西洋文学の本を彼女に読み聞かせる。村人から隠れて洞穴で西洋小説を読む3人の姿は、微妙な友情のトライアングル。それが禁じられた行為であるというスリル。やがて彼女は、本との出会いと若者との恋から人生を大きく変えていく。

 これまでも僕らは生涯残るような感動を本や映画から得てきた。それらは少なからず僕らの人生を左右してきた。この映画では、1冊の本との出会いによって運命を大きく変えるお針子の姿がたいへん印象的だ。一人で村を去るお針子は「バルザックが私を変えた」と言う。その衝撃の強さを感じさせる。

 また、この映画は中国を舞台にした青春映画だが、フランス資本で製作されている。そのせいなのか、僕はこの映画の三角関係に、奔放なジャンヌ・モローが二人の文学青年に愛されるフランス映画「突然炎のごとく」を思い浮かべてしまった。体制や時代、それに翻弄される人間がテーマとされがちな中国映画とはまったく違う。

 映画のラストは、村を出たその後の二人が描かれる。お針子の行方はわからないままなのだが、彼らが「再教育」で訪れた村は、巨大ダムの建設で水没してしまうという結末を迎える。ジャ・ジャンクー監督の「長江哀歌」でも描かれた山峡ダムの建設だ。近代化の影で変わりゆく中国。そこに、若者二人の帰り来ぬ青春を重ねる脚本は実に巧みだ。湖の底で三人のイメージが重なるラストシーンは実に美しい。

 お針子を演ずるジョウ・シュンは、「ウィンター・ソング」で金城武の相手役を演じてた女優さん。村長の歯の治療をする場面や近衛兵の踊りを女性たちが披露する場面が印象的。

このレビューはネタバレを含みます

文化大革命なので悲劇かと思っていましたが、美しい思い出の映画でした。これの前に「サンザシの樹の下で」を見たので切ない美しい映画の余韻があったんでしょうね。自分が女だからか、男は身勝手だなと思いましたよ、小さなお針子のことを結局弄んだだけじゃないですかー。しかもそれを郷愁と青春の美しい思い出にしてしまって、なんという身勝手!
でもそういう風に感じるのは、劇的に変わった小さなお針子の人生が、成功とは言えないからなんでしょう。これが欧米の映画なら、小さなお針子が自由と教養を手に入れて新しい世界へと漕ぎ出して、成功を収めるのかもしれません。そうなっていたら、知識と文明への礼賛に終始していたのではないでしょうか。それはそれで陳腐になってしまうので、難しいですね。
こういう時代があった、しかし悪いことばかりではなかった、若いばかりに過ちを犯したが、それも今ではいい思い出だ
そういう映画に見えました。
しかしやっぱり、それに巻き込まれたお針子はどうしたらええんや!という気持ちが残りますねぇ。
寸pyong

寸pyongの感想・評価

3.0
中国には今でも秘境がありそうに思ってます。

昔の人は逞しかったよね

そして、ジョウ シュンは、この頃より今の方が若く見えるのは気のせい?
メイクでどうにでも、なるんかね
人はどの時代に生き、どんな土地で育とうが知を求む ダイ・シージエ「小さな中国のお針子」

ジョウ・シュン演じるお針子の祖父が『一冊の本が人生を変えることもある』と言う台詞。
大きく頷きました。
それ以外にもひとつの美術作品が、一枚の写真が、ひとつの曲が、一本の映画が、その人を変え人生を狂わされていくさまを私は多少なりとも知っています。
現代でもそうなのだから文化革命以後の中国なら尚更でしょう。
やはり知識は力だし教育は人を動かす。
その事をこの作品は声高になる事なく貧しい山間のメロドラマに託して淡々と醸しております。
今年は『雲南の子〜三姉妹』という興味深い中国ドキュメンタリー映画も観ましたが2000年以後急速に経済成長してきたこの国の淡い光と淡い影を同時に見れた気がして興味尽きぬ所です。
なは子

なは子の感想・評価

3.4
ウォーアイニーを繰り返す彼女がすごく愛おしい。中国の田舎のはなし
momiji

momijiの感想・評価

3.4
文化大革命に翻弄された若者の話。お針子のその後が気になる。幸せになって欲しい。
【再視聴】すばらしい作品。中国の文化大革命時に、2人の青年が山奥の村で再教育を受ける。そこは仙人が住んでいるかのような綺麗な村であり、この景色だけでも見る価値がある。
お針子と2人の青年の初々しく切ない三角関係が1つの見どころであるが、この映画には隠れた大きなテーマがあるように思える。映画中では『小さなお針子』という言葉が出てくるが、タイトルは『中国の小さなお針子』ではない。この村が『小さな中国』として存在しているように思われる。
バルザックを西洋文化の流入と考えると違った見方ができるのだが考え過ぎだろうか。
中国の山奥の映像と音楽が美しかった。更に主人公3人が美男美女で画面が綺麗。結末も意外性があって良かった。随分前に小説版を読んだことがあるが、映画の方が詩的な美しさが出ていた気がする。
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