突如やって来た東宝でのリバイバル、スクリーンで観ると印象が違うだろうと思ったが観終わった後、放心してしまうくらいの良さがあった…。
冒頭や中盤に記憶から抜けてた箇所もあってそこは新鮮に感じたが特にラストにかけて知っていたつもりなのに没入感なんだろうな。キャラクター性や神話性、トルメキアは特にトルメキアにより巨神兵を奪われてしまったペジテも同じく、人間のエゴから来る破壊の愚かさ、ラストにかけ伸びを見せ帰結させる展開は流石だ。
少女ナウシカの人や虫や動物、全ての命に対する眼差しが強く感じられて改めて凄いキャラクターだなと思う。皇女クシャナの対極的な存在も勿論ある。王蟲の幼生をなだめ触手で反応してくれるシーンや怒り狂った王蟲が返す優しさも胸に迫るものがある。この眼差しあればこそ。
伝説の具現化よりもこの少女の強さ優しさに最後は風の谷の大ババと一緒になって泣いた。作品の有名な台詞も気に留める暇も無く、良質な物語と展開に違う一面を見た気がした。自然との共生、土と水と光そして風があれば暮らして行ける。
ユパ様の船内突入シーンとメーヴェを発進させるシーンは2割増くらい格好良く見えた。