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ゼア・ウィル・ビー・ブラッドのkuuのレビュー・感想・評価

3.5
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(There Will Be Blood)
2007年の米国映画。
石油採掘でアメリカン・ドリームをかなえた男の利権争いと血塗られた歴史を描いた社会派ドラマ。
原作は1927年に発表された、社会派作家アプトン・シンクレアの『石油!』
20世紀初頭、“ブラック・ゴールドラッシュ”に湧きよるカリフォルニア。
鉱山労働者のプレインビュー(ダニエル・デイ=ルイス)は、石油で一獲千金を目論む山師の一人で、石油が沸く源泉があるという情報を耳にする。
息子(ディロン・フリーシャー)とともに石油採掘事業に乗り出したプレインビューは、異様なまでの欲望で富と権力を手にしてくんやけど、
荒野のド・まん中で細々と井戸を堀続けていたた彼は、事故で大ケガを負いながらも油田を掘り当てた。
懸命に働いて事業をデカくしていった。
その時、 ある青年が彼の前に現れて、故郷に石油が眠っとるちゅう情報をもたらした。
話がマブの本物やとピンときたプレインヴューは情報をゼニで買い、西部の小せえ町へとむかった。
荒涼としたこの町で彼が出会ったのは、あの青年と同じ容貌をした兄弟イーライ・サン デーだった。
精霊派の牧師である彼は、ブレインヴューが石油のことを隠したまま安値で土地を買い占めようとしとることに気づきながら、教会への寄付を条件に買収に協力。
ブレインヴューは巨大な油井を掘って、莫大な財産を手にした。
しかし、富と権力は更なる欲望を生み、人間の持つ“業”をあらわに。。。
欲望に取りつかれた男 ブレインヴューの暴走する狂気かな。
アンダースンは原作小説「石油」を読み、強欲な主人公と精神的理想論を掲げる牧師との対比に興味を惹かれたという。
確かにプレインヴューは映画史に残る強烈なキャラクターだ。映画は彼の人格を 凝視し、やはり一筋縄ではいかないねばっこい脇役 たちと絡み合わせることによって濃厚な物語を形作 る。 そこには人間の根源的な姿が浮かび上がる。

アンダースンは7割がた脚本を書き上げたところ で、それをダニエル・デイ・ルイスに送った。「彼と 仕事をするのは、今までほんの数人の監督にしか許 されたことのない特権だ。出演を依頼するのは勇気 がいったが、この役を演じられるのは彼しかいない と確信していた」というデイ・ルイスへの信奉と、 彼のなりきり演技が、この映画を成功へと導いたと いっても過言ではないだろう。
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