三郎丸

サムライの三郎丸のレビュー・感想・評価

サムライ(1967年製作の映画)
3.3
ちょっとこのレビューと話は逸れますが、先日ワタシが某空港で仕事をしてたところ
【ラストサムライ渡辺謙】
がアメリカから帰国、苦虫を噛み潰したような表情と猫背でまったく元気がありませんでした…
各家庭には色んな事情がありますから、せっかく海外で良い評価を受けて活躍中の俳優さんですから、乗り越えてほしいというか…
今の日本は不倫等のゴシップを(擁護した者も含め)
【しつこく徹底的に叩く】の好きですね。

話は映画に戻り本作は、アラン・ドロンが主人公。恐ろしく美形な殺し屋を演じており、彼の雰囲気はフランスの街に良く合います。ま、反則です!

お話は、
寒々としたパリのアパート。(家具が何もない)一羽の小鳥とともに暮らす一匹狼の殺し屋ジェフ・コステロ(アラン・ドロン)。多額の報酬を受け取り、常に完璧な仕事をこなすジェフだったが、彼の心は彼のアパートのように荒涼とした孤独感が支配していた。
そんなある日、いつものように依頼された殺しを完遂したジェフだったが、逃走時にピアニストのヴァレリー(カティ・ロジェ)に顔を見られてしまう。容疑者のひとりとして警察に連行されるジェフ。しかしヴァレリーは彼を犯人ではないと証言する…

「ジャングルの中の虎に似てサムライの孤独ほど深く厳しいものはない」
冒頭、こんなクレジットで始まりますが、
「おっと!孤独=サムライってドユコト!?」
と、ワタシ掴みからちょっと気後れしました…
それはともかくとして、アラン・ドロンが演じた無口な殺し屋は、とにかくクールでストイックでカッコイイ。まさにハマり役です。
目深に被ったソフト帽と襟を立てたトレンチコート姿(どんなに動き回ってもシワひとつありません!)立ち姿だけでもサマになっております。
外見の恰好良さは勿論の事、無口なキャラクターも渋い。

パッケージでも軽く分かるのですが、
【妙に色彩が良い】
基本静かな映画なので観ていて凄く印象に残ります。
ストーリーが地味展開な分そういうところに気づかされるのか…
あとは、パリの街を走る古いシトロエンの恰好良さ。
全体に流れる作品の雰囲気は好きです!

オススメ処は、
主人公の部屋で小鳥を飼っているのですが、これの鳴き声が妙に小うるさい。アラン・ドロンのシリアス顔のそばから定期的に
「ピーピーー!」
と鳴きに鳴きます!
最初はうっとーしく感じるのですが、小鳥のしつこさが徐々に面白くなってきます。

洒落た雰囲気の映画が好きな方にオススメです。
三郎丸

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