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アドルフの画集のtorakoaのレビュー・感想・評価

アドルフの画集(2002年製作の映画)
2.8
演説の力の入りようと、それでいながら意外にわざとらしくないとこが凄かった。聴衆の胸ぐら掴んで揺さぶってくるみたいな有無を言わさぬ力を感じた。暴力的とも言えるのだが、興奮、昂揚、心震わす何かがあるのはわかる。そして共振し増幅されていったのだろうというのも何となく。説得力を感じた。

ジョン・キューザックの役名が原題なので、ヒトラーメインの話ではない。元々人を惹き付ける目立った何かがあった訳でもないという表現にもなってる気がするし、そこはいいと思うんだが、話はもう少し練ってくれればなー。心の機微がもう少しわかるように描かれてたら違う印象になったと思うし、それ必要だったかなーと思う箇所がいくつかあったり、何かスッキリしてない。粗筋にまとめると凄く面白そうに感じる話だと思うけど、何か散漫。ストーリーに太い幹がある感じもしないかな。何か輪郭がぼやけてる感じ。
ヒトラーを単なる悪としては描いてなかったり新たな試み・切口はいいと思うだけに何か惜しい。
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