古典落語の演目、「粗忽長屋」をモチーフにした話。
戦死した筈の男(板尾創路)が戦場から帰ってくる。男は戦争に行く前は天才落語家の名を欲しいままにした程の噺家・「森乃家うさぎ」だったのだが、彼は戦争のショックですべての記憶をなくしてしまっていた。
主人公が終始板尾創路以外の何者でもない。雰囲気から何から本人そのまま。ぬぼーっとした、シュールを体現したかのような雰囲気。
戦死したはずの男が記憶をなくして帰ってきて、また落語をするという設定は凄く面白そうだっただけに非常にがっかり。笑いどころも少ないし、肝心のオチも理解不能。板尾創路の笑いはわかりにくい。シュール過ぎる。バラエティなんかでは好きなんだけど。
「粗忽長屋」という落語の粗筋が分かっていないとストーリーがよくわからないと思う。知っていた所で面白くないのが難点だが。DVDなら映像特典に鈴々舎馬桜の粗忽長屋があるので、一応そちらを見てからの方が楽しめるかと。
他と比較するのは申し訳ないが、ネタ元の粗忽長屋そのままの方がわかりやすくていい。同じ題材をモチーフにしたパロディという事なら、ドラマの「タイガー&ドラゴン」の方が面白かった。「月光仮面」は勿論の事、「けっこう仮面」よりも酷いんじゃなかろうか。