“レーミードードーソーー”
外星から地球に飛来したUFOが発信する音律。
これを受け、地球側から同音律をシンセサイザーにて返信する。
“レーミードードーソーー”
“.......................”
暫く、沈黙が続くが、
やがて、UFOから弱く返される。
“レー”...“ミー”...“ドー”...“ドー”...“ソーー”
地球側は再び返信。
“レーミードードーソーー”
そうすると、間もなくUFOから大音響にて
“レーミードードーソーー”
が返され、これを機に各種音律による交信が一斉に始まった.....。
映画『未知との遭遇』のラスト30分のクライマッククス・シーンである。
我が家では毎年大晦日の夕方、
この「未知遭30分」をホームシアター“大音響サラウンド”で上映するのが恒例となっている。
息子達の小さい頃からやっているので、
大きくなった今も、帰省で戻ったとき「これか!」と一緒に観ている。
実に楽しいものである。
本作品、巨匠スティーブン・スピルバーグの
いわゆる恐怖ものといわれる『激突』『ジョーズ』の後の3作目であるが、
ガラッと趣向を変えたファンタスティックSF映画となっている。
言うまでもなく、後の『ET』や『インデペンデンス・デイ(R.エメリッヒ監督)』の原型となる作品である。
さて、内容はとなると、不可解な自然現象や不可解な人間行動がいきなりしかも次から次へと現れ、『ET』や『ID』とは趣きを異にする不定愁訴感を拭い去れないもどかしさがある。
しかし、この作品の根底にある、追求したい “未知なるもの” と “純粋なるもの” がラスト30分のクライマックスに融合する局面にていくらか解消される。
まさしく、ベートーベンの『第九』が“歓喜の歌”でクライマックスを迎えるのと相通ずるものがある。
それゆえ、「未知遭30分」も大晦日なのか!?!
今年もたのしみである。