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ゴーストワールドのHKのレビュー・感想・評価

ゴーストワールド(2001年製作の映画)
3.7
ホラーっぽいタイトルが気になりつつもポスターとのギャップにとまどい長い間スルーしてきた本作、フィル友さんたちの評価が非常に高いので22周年リバイバル上映を機に劇場鑑賞してきました。

ポスターの女子二人が『ゴースト・バスターズ』みたいに幽霊を退治する話ではないと薄々感づいてはいましたが、やっぱりというか2人の女子が高校卒業後にウダウダする青春モノでした。
じゃあゴーストワールドって何ぞや?
イーニドにとってはあの世ではなく、現世がゴーストワールドだったってこと?
それともラストでイーニドがバスに乗って向かった先こそがゴーストワールド?

主人公イーニドに共感したというレビューが女性に限らず多くてちょっとビックリ。
私なんぞ、2人から見下される側なので、ほぼイーニドには共感なし。
少しでも共感するとすれば、仕事と趣味を両立しているシーモア(スティーブ・ブシェミ)。
シーモアは私にはキモオタどころか、いたってフツーの人でした(この時点でマズイのか?)。

でも、最近観た劇場新作のどれよりも楽しめました。
ただ初めて観たのに妙に既視感があったのは、似たような時代を生きた経験があるからか、それともこのテーマが普遍的で、他のいろんな映画でも描かれているからでしょうか。

とくに好きだったのはバスと老紳士のくだり。
老紳士がバスで去った後、イーニドがいくら待ってもバスは二度と来ない設定かなと思ったら、あっさりイーニドもバスに乗って行っちゃいましたけど。
バスには“カオナシ”みたいなのが乗ってたりするんでしょうか。
ゲゲゲの鬼太郎の“幽霊電車”を思い出しました。次の駅は“骨壺”?
いつかブラリと帰ってきそうな気もするし・・・

イーニド役のソーラ・バーチ(当時17歳)は『アメリカン・ビューティ』は観てるはずですが記憶なし。TV『ウォーキング・デッド』のシーズン10から出てるそうですが、私はシーズン9で飽きて観るのをやめたので知りません。
レベッカ役のスカーレット・ヨハンソン(当時15歳)は今も昔も変わらないのがスゴイ。
父親ボブ・バラバンのお相手がテリー・ガーだと気づかなかったのは不覚。
なぜか製作がジョン・マルコビッチ!

そういえば、問題の“クーン・チキン・イン”の黒人イラストは、途中から同じ理由(?)でビジュアルが大幅に改定された石ノ森章太郎のサイボーグ008を思い出しました。
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